2020年1月3日に渡仏して、ストラスブールに来ています。

気がつけば稽古もはや、3週を過ぎました。

来て早々、シャルルドゴール空港から乗るはずだったストラスブール直通のTGVがストでなくなってました。
チケット売り場で、パリ東駅まで行けば最終のストラスブール行きに乗れるかもしれないと言われたのでタクシーを飛ばしたものの、渋滞で間に合わず急遽パリで一泊することになりましたが、次の日に無事ストラスブール入りできました。
(昼の劇場入り口)

未だにストは継続中ですが、ストラスブール市内では、2回ほどデモがあったくらいで、あとは静かなもんです。

稽古1週目は仮舞台を劇場に組んで、照明も仮シュートで、本稽古でした。

大モノローグ大会と言えるくらい、それぞれの出演者に数ページに渡るモノローグがあって、フランス人達は四苦八苦し、その横でモノローグのない私はセリフの発音とニュアンスを探る日々でした。

2週目に入るとフランス人達もセリフが入り始め、クリスティーヌの作ろうとしている空間との擦り合わせが進みます。「ヒロシマ ・モナムール」に続いて今回も映像が入るので、先に作っておかなければいけないのでやや先行してましたが、それ以外の照明、音響、役者が共にそれぞれのツールで、空間を作る為に色々探りながら作品を作っていきます。

全てのスタッフと時間を共有して作品を作ることが、本当に気持ちいい。自分にとってこの感覚はとても大事で、そして大事にしていきたいと思います。

「エデン・シネマ」は2幕芝居です。
3週目に入ると1幕をなんとか通しながら、2幕への稽古へと進みます。そしてそこにアニー・メルシエの約5ページに渡るモノローグがあります。アニーは、「別れの唄」でお母さん役で共演した女優さんで、その頃「ヒロシマ ・モナムール」のオファーをもらったけれど、ビビって迷っていた私に「イエスと言え!それから考えろ」と言ってくれた、言わば恩人でもある人です。

じゃあやってみようと始まったアニーのモノローグは、結局そのまま最後まで言い終わりました。そして客席にいたスタッフ陣から自然と拍手が起こりました。私も拍手してました。
存在の破壊力ももちろん凄いのですが、
そもそも、言葉の意味が分からないことがいっぱいあってもちゃんと時間は流れる、こっちに来て私が体験した「モノローグ」のその面白さを、改めてここでも感じられたことが本当によかったです。

そして週末の金曜日に初通しでしたが、通しで見るアニーのモノローグは、一段と迫力が増してました。

ある種、もう、演劇妖怪です。素晴らしい。

いつかあんな風に喋りたい。

そんな3週間の稽古でした。
来週は毎日通しができます。
照明音響も落ち着いてきたので、まあ、ゲネプロです。毎日。

がんばりま〜す。
(夜の劇場入り口)