2023/05/02 | ともさかりえ オフィシャルブログ Powered by Ameba

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ともさかりえ本人によるオフィシャルブログ


 春から息子が一人暮らしを始めた。いまだにその事実に慣れない。ものすごい喪失感。しつこく連絡してはいけないと思いつつ、ご飯は食べたのか、よく眠れたのか、ついつい生存確認をしてしまう日々。

 子育ての目的は自立させることだと思っているので、一人暮らしのタイミングは早ければ早い方がいいと考えていたし、送り出したことに後悔はない。母子2人暮らしの気楽さに、ぬるーっと共依存したまま生きていくのは絶対に避けたかった。互いに自立をした上で、必要な場面で助け合える関係こそが健全だし、みんながハッピーだと思う。私は息子にしがみつきたくないし、彼には自由に自分の人生を選び取って欲しい。人生はそもそも孤独なものだし、その孤独と向き合うのは早ければ早い方が、大人になってから生きやすいのではないかと…思うのは、私のエゴかもしれない。

 去年の年末に再婚をしましたが、この春までは変わらず母子2人で暮らしていたのですよ。振り返ってみても、2人で過ごしてきた時間があまりにも長い。離れてみると、これまで共に過ごしてきた時間の尊さにクラクラしてしまうし、1人でいると、うううううううああああ…と涙が出てくる。ずっと一緒にいたときは気付けなかったなぁ。全然気付けていなかった。送り出してみて、初めて知る気持ちが沢山ある。

 しかし新しく住まいをととのえるって本当に大変なのね…。私は世間知らずなんだなぁと、改めて恥ずかしくなることばかり。息子に自信を持って教えられることや伝えられることなど殆どなく、あらゆる人に質問しまくり、教えを乞う日々でした。去年、同じように息子が一人暮らしを始めた友達からもらった、リアルな助言には特に助けられたし、引越しのお手伝いにも駆けつけてくれた、彼女の優しさが心にしみた。

 数日かけての引越しだったけど、とにかくできる限りのことをしたい母心。息子にしてあげられることは、物理的にこれで最後かもしれないと思うと(実際そんなことはないんだけど)、しっかりと新居をととのえて送り出してあげたい!という思いが爆発。私の見通しが甘すぎて、これも足りないあれも足りないとバタバタだったけど、力を合わせて何とか形にできた夜。じゃあママはそろそろ行くねと言ったときの息子の表情を見て、ぶわっと泣きそうになったものの、ここでは絶対に泣いてはいけない!と、笑顔でハグをして別れた。帰り道、運転しながら、ぼたぼたと涙がこぼれ、一度溢れた涙は止まらず、声をあげて泣いた。息子の門出を喜ばしく思う気持ちと、とてつもない寂しさと、とてつもない不安が全部ごちゃまぜになって、わんわん泣いた。もっと一緒に過ごせば良かったのではないか、そもそもなんで一人暮らしなんてさせちゃったんだろう…と、矛盾した気持ちでいっぱいになり、大混乱の大号泣。がしかし、翌日も朝からドラマの撮影があったし、やるべき仕事があることに救われた。私は私の人生をしっかりと生きていくしかないのだ。

 今生の別ではなく、いつでも会える距離だし、実際に会ってもいるのだが、確実に今までとは何かが違う。一緒に過ごせる時間が、本当にスペシャルに感じるし、嬉しくて嬉しくてたまらない。そんな母の重すぎる愛を、苦笑いでも受け入れてくれる息子に感謝せねば。ずっと一緒にいたときは喧嘩も沢山したし、中2〜3の反抗期時代は、今後まともに会話する機会はないのかもしれない…なんて思っていたけど、全然そんなことはなかった。今は互いを思いやれる気持ちが明らかに大きく膨らんでいる気がする。洗濯したり、掃除をしたり、相変わらず自炊をしたり、彼なりに頑張っている姿を見て、たまらない気持ちになっている親バカでございます。彼がこれから出会う苦労や悩みを想像すると、全部代わりに引き受けたいと思ってしまうくらい胸が締め付けられるけど、彼の人生を私が背負うことはできないから。本人が自分の手で掴み取っていくしかないのだ。失敗してもいいし、帰ってきてもいい。とにかく元気で生きていてくれたら、それで充分。