9月になりましたね。日頃YouTubeチャンネル『HIP HOPで学ぶ英語』をチェックしている方はお気づきかと思いますが、8月中旬で文法全72回が終わり、現在は週3ペースで動画をアップしております。

 

需要があるか分かりませんが、初回撮影時の未公開カットを載せておきます。

 

初回のエミネム(Eminem)を使ったSVCから最後のアッシャー(Usher)を使った不定代名詞まで、皆さんお疲れ様でございました! これからはここまで学んだ知識を総動員してリリックを読み解いていく、いわば実践編に入っていきます(すでに一部、シンガロングなどで実践編に入っていますが)。今後もぜひお楽しみに!

 

 

もし文法に不安がある方で文法の回をまだすべてご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ一通り見ていただきたいです。これは再生回数を稼ぐためではなく、チャンネルの目的を踏まえての僕からのお願いです🙏

 

 

無用の長物である「受験英語」とはまったく離れたところに、単純明快ですぐ身につき役に立つ「生きた英語」なるものがある、なんていう幻想をお持ちの方もいるかもしれません。そういう幻想を抱かせるような煽り文句が世の中には溢れているので、あなたがそう思ってしまうのも無理はありません。しかし、僕が全72回で解説した内容は、どんなイデオロギーを持って英語に向き合うにしても避けて通れないはずのものです。

 

もちろん、山の登り方は1通りではないので、文法の勉強をせずして英語を身につけることは可能だと思います。でも、文法事項を身につけずに「英語をマスターした」などと言えることは、おそらくありません。「文法よりも生きた英語」をスローガンに掲げるにしても、that節からも関係代名詞からも従属接続詞からも不定詞からも使役動詞からも仮定法過去からも逃れることはできません。特段難しい文章を読まないにしても、です。日本人はネイティブも使わないような難しい構文ばかり学んでいる、なんて嘘です(重箱の隅をつつくような問題が入試でしばしば出題されることは確かですが)。まずはこの認識を正しく持っていただきたいです。

 

 

そして、独力でリリックに向き合い、その意味を解釈したり、表現の面白さを楽しんだりしていただきたい—これが我々の願いです。フレーズと和訳だけを渡して「ほら、簡単でしょ?」などとすることも可能ですし、実際そういった英語学習チャンネルやリリック和訳動画も多く見受けられます。また、そうしたチャンネルや動画を否定するものでもありません。ただ、我々が目指す世界はそこではありません。チャンネルをご覧の皆さん一人ひとりが自分なりにリリックと向き合い、ヒップホップやR&Bを今よりももっと楽しめる世界を目指しています。そのためにはどうしても、文法事項を身につけるという面倒な工程を経なければなりません。ちょっとキツいかもしれませんが、頑張りましょう! 挫折しそうになったときや分からない点があったときは、ぜひお気軽にコメントください!

 

 

最後に1点だけ。「文法事項を身につける必要がある」というのは「文法的に正しくなければ会話してはいけない」ということをまったく意味しない、ということを強調しておきたいと思います。J. Lamotta すずめちゃんは「みんなでどんどん間違えよう」と言ってくれましたね。YUMAさんもCAPITAL-Tさんも、完璧でなくとも場数を踏むことの大切さを強調されていました。僕の会話力だって、すずめちゃんの動画で明らかになったように、あんなもんです。でも、恥ずかしいことなんてありません。RINAトンみたいに日記をつけるのもいいでしょう。文法学習と並行して、失敗を恐れずどんどんアウトプットしていきましょう!