これもニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle)推薦図書の一冊です。ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)やLL・クール・J(LL Cool J)の愛読書でもあるそうです。『思考は現実化する』というタイトルで邦訳版も出ています。





いわば自己啓発本です。統計を示すでもなく断定口調で「この世には物質とエナジーの2種類しか存在せず…」とか書いてあるので胡散臭く感じるかもしれませんが、今ではナントカ心理学とかでアカデミックな方面からも裏が取れていることが、当時だから胡散臭く書かれているだけなのかなという印象を受けました。成功のためには燃えるようなdesireを持ち、それが実現した状態を強く信じてイメージし、何度も何度も潜在意識に刷り込ませる…などと、何か大きなことを成し遂げている人なら必然的にやっていそうな内容でもありました。今年4月に会某の研修で「ゴールドビジョン」なるものを学び、同月にはダンサー/振付師=RIEHATAさんの自叙伝を読んだのですが、それらともリンクするような内容でしたね。


こういう話はたびたび聞くものの、心酔して実践したことはこれまでの人生でなかったなと思い、この本のインストラクションに沿ってGoogle ドキュメントで宣言的なものを書いてみました。それから1ヶ月くらいは毎晩、理想の状態になった自分を寝る前にイメージしていたのですが、最近はすっかり忘れてしまっていました。


そういえば、大学時代の友人が、高校時代に陸上部の顧問から聞いた話としてこんなことを教えてくれました。「キリスト教圏の選手は『これだけやったんだから、あとは神がなんとかしてくれるだろう』みたいな信奉があるので、同じ能力であれば日本人選手より強い」と。ここ数年盛んに言われている日本人の「自己肯定感の低さ」みたいな話にもつながる気がします。


…と、ここまで書いてて思ったのですが、こんなふうに分析的で冷めているところがある評論家タイプの自分だから、上述した理想の状態の自分イメージも、1ヶ月しか続かなかったのかもしれませんね(笑)。あとはメソッドを正しく実践しきれていないか。でも、人間は多面的な存在なので、僕も心が実業家モードになることはあります。そんなときに、この本から得たメソッドを知っていることは、少なからず有益だと感じます。



こういう類の本に嫌悪感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、読んでいておかしな部分は判然とするので(男がハゲるのは帽子を被らないことによる他人からの批判を恐れて帽子を被ることで頭皮の血行が悪くなるからだ、など笑)、洗脳されるんじゃないか?などと怖がらず読んでみてもいいと思います。ただ、今の時代はアカデミックな根拠に基づく似た内容の本もあるので、これに拘らなくてもいいでしょう。