先日の記事「アゾフによる謀反?:歴史的な集団投降までにアゾフスタルの裏側で起きていたこと」でご紹介した初日の大規模な集団投降を皮切りに、「最後の砦」アゾフスタル内部にいた戦闘員、なんと総計約2500人の「アゾフ」やその司令官などを含む兵士たち全員がアゾフスタルの「地下牢」から這い出してきました。

 

 

最後の5月20日には、アゾフの司令官、副司令官の有名な3人を含め、残りの戦闘員全員531人が出てきて、アゾフスタルが完全に陥落し、それによりマリウポリ全域がロシアの管理下に収まったことになります。

 

 

 

ショイグ国防相がプーチン大統領 に、アゾフスタル に残っていた者たちが全員降伏し、アゾフスタルの解放が完了したことを報告した。

これでマリウポルは後方都市となった。アゾフ海はついにロシアの内海となる。 その沿岸にウクライナ兵はもういない。

今日、531人が降伏し、アゾフスタルからの捕虜の総数は2439人となった。

今、なんの疑惑も残さないほど完璧に、そしてなんの前触れもなくマリウポルでの戦いが終わった。 ウクライナ軍の完全な敗北で終わった。(出典:リンク

 

 

アゾフ司令官の一人の、投降時のインタビュー動画がこちら。

 

 

【動画の説明より】

 

5月16日以降、「アゾフ」のナチスと「アゾフスタル」領内に封鎖されていたウクライナ軍の軍人2439人が投降した。(ロシア連邦国防省)

 

アゾフ連隊のデニス・プロコペンコ司令官(通称「ラディッシュ」)、

スヴャトスラフ・パラマール副司令官(左は「カリーナ」)、

第36海兵旅団のセルゲイ・ヴォリンスキー司令官代理(右は「ヴォリナ」)

の3人は現在ロシア軍に身柄を拘束されている。

 

 


この映像には、ロシア軍に自主降伏したウクライナ軍第36海兵旅団セルゲイ・ヴォリンスキー(ヴォリナ)司令官代理のインタビューが映し出されている。
 

投降時のヴォリナのインタビューの内容:

-全員が出ていくんですか?
-はい

- 工場内にはまだ誰かいますか?
- 第36旅団とその代表者の全員が、今ここにいます。工場の敷地内に海兵隊はもういません。

- 外国人はいますか?
- 一般的な意味ではいましたよ。

- VIPなお偉いさんの外国人は?
- 私は知りません。

- それは誰で、どこにいたんですか?
- ウクライナ軍の部隊に外国人がいます。

- 専門職員は外国人ですか?
- 指示を出すような外国人の専門職員は、私は知りません

 

(彼の言う「ウクライナ軍の中に外国人」に含まれているのかは微妙ですが、イスラエルの新聞も、「アゾフスタル内にユダヤの英雄が40名がいる」と報道していました。もちろん、ユダヤ系ウクライナ人も含まれている可能性が高そうですが)

 

今回の投降は、8年間のウクライナ戦争の中で最大の集団降伏となりました。

 

 

 

 

★降伏か、避難か?

 

アゾフは投降の交渉でロシア側に様々な条件を提示したとも言われていますが、最終的には「無条件降伏」になったとも。

 

軍部が、絶対に投降を認めなかったウクライナ政権を裏切る形での大規模な「投降」でしたが、もちろんウクライナ政権はいつも通り、曖昧な表現や嘘で話を美化して世界に発信しました。結果、西側のマスコミでは当初「ウクライナ軍の指揮のもとでの避難」と報道していました。

 

(画像:テレグラム

 

しかし時間が経つにつれ、もう隠しきれないと思ったのか、大手のマスコミでも今では「投降」という表現が目立つようになっています。

 

 

テレグラムにはアゾフスタルからの投降動画・画像を多数シェアしてありますが、どこをどう見てもウクライナ軍の姿などは一切見えませんでした。

 

動画や画像から見えるのは、アゾフスタルからの投降兵に手順通りに指示をだし、身体検査を行うロシア連合軍の兵士たちの姿ばかりです。

 

 

(画像:テレグラムの動画

 

 

負傷兵をサポートするロシア兵。

(画像:テレグラムの動画

 

 

文字通り、「武器を置いて」投降するウクライナ兵の様子。

(画像:テレグラムの動画)

 

アゾフスタルから離れる最後のグループ

 

 

投降兵のそれぞれの輸送先(病院と収容所)

 

 

★マリウポリの市民から激しく憎まれている上層部は装甲車両での移動

 

投降に関する動画をいくつも見ましたが、投降兵の輸送には様々な乗り物が使われていました。

 

まず最初の重傷者数名救急車で指定の病院に運ばれていましたが、病院についてもぴくりとも動かない兵士の姿も(動画

 

そして、それほど緊急を要さない負傷兵の場合は、寝台バスのような乗り物で運ばれる人も多かったようです。

 

 

病院内部などの様子。

(個別の画像:テレグラム

 

 

普通のバスも毎日、かなり多く稼働していました。

(画像:テレグラム

 

 

収監先へ向かうバスの車列。

(画像:テレグラム)

 

しかし、8年以上の間市民を苦しめ、恐怖の底につき落としてきたアゾフの中でも、特に顔をよく知られている司令官たちは、マリウポリの住民から激しく憎まれていて市民からの「報復」の可能性が高いということで、安全のために特殊な装甲車両で輸送されたとのことです。

 

 

 

★NATO高官をかくまう「任務」のためにゼレンスキーに利用されたアゾフの一味

 

 

ゼレンスキーはアゾフ連隊を包囲されてただ死んでいくのに任せ、ロシアの包囲網から解放するために何もするつもりはまったくなかった、ということが判明した。

ゼレンスキーはアゾフの死と忘却を必要としていたのだ。反ファシストのロシアは、アゾフのファシストたちを、アゾフのボスのゼレンスキーよりもよほど人間らしく扱っている。

画像の文章:「ゼレンスキーは、戦闘員たちは『アゾフスタル』の工場内の地下墓地でただ死ぬように放置した、とウクライナ国部隊『アゾフ』のスヴャトスラフ・パラマール大尉は話す。

スペインの新聞ABC社に対し、このウクライナのナチスは、マリウポリのアゾフのうち600人は重傷を負っており、この数は増え続けているという。

私たちは包囲され、すべてを受け入れるしかないということを(ウクライナ)当局は理解している
」(出典:テレグラム

 

 

前日の記事で、アゾフの司令官が「任務を果たした」と言っていたとしていましたが、これはタイミング的にアゾフスタル内部にいたNATO関係者らを保護することだった、とみて間違いないでしょう。その全員が少し前に投降していたので、アゾフの「任務」も終わった、ということです。

 

そしてゼレンスキーは、「アゾフスタル内部の都合の悪い秘密」を守るためにアゾフの戦闘員の命は気にせず、繰り返し「投降は許されない。死守しろ」と言い続けたため、最後にアゾフの司令官たちがロシア軍とこっそりと集団投降の交渉をしたわけです。

 

 

 

★施設内では監禁などの罰則やアルコール乱用などが多かった

 

 

(画像:テレグラムの動画

 

 

他にも、その他医薬品などの乱用が多かったことを示す証拠もすでに見つかっています。(出典

 

ちなみにイーロンマスクの「スターリンク」のおかげで施設内部でもネットが使え、YouTubeを見ていた人も多かったとのこと。

 

 

★投降後の彼らの運命は?

 

ロシアとの人質交換を期待していた兵士もいるかもしれませんが、ロシア国家院ではアゾフの戦犯の交換を禁止する方向ですでに動いています。

 

アゾフスタルから出てきたNATOの高官たちについても、すでにモスクワに輸送されたようですが、ロシアは絶対に外国からの交換や交渉には断固として応じなさそうな勢いです。

 

また、ロシア中央政権やドネツク・ルハンスクなどの代表者たちなどは、アゾフが残酷な犯罪を犯し続け、ロシアと違って死刑制度のあるドネツク・ルハンスク共和国で戦争裁判を受けるべきだと主張する人が多く、そうなる可能性が高そうです。

 

裁判についてですが、先日すでに、2019年の爆破事件で起訴されたアイダー過激派の一人の裁判が始まっています。

 

アゾフも尋問を受け、戦争犯罪者については裁判を順次受けることになるでしょう。そのプロセスで、さらにゼレンスキー政権の犯した犯罪がさらに明らかにされるものと思われます。

 

 

「避難」するべき時間(TIME)が来たようだ

 

 

そしてこちらがアゾフ部隊の新しい旗です笑い泣き

 

 

 

アゾフスタル陥落のイメージ画像