7月に、イギリスのボリス・ジョンソンが辞任を発表した際、地政学的見地で人気のYouTubeチャンネル、The Duranのアレックス氏から、これまで知られていた「アサドの呪い」から「ゼレンスキーの呪い」という言葉を初めて聞きました。
その後、44日しかもたなかったリズ・トラスも含めた最新状況も織り込んで、最新版の「ゼレンスキーの呪い」についてアレックス氏が動画で語っていました。
★「アサドの呪い」、「ゼレンスキーの呪い」とは?
シリア戦争の頃、「アサドは退陣するべきだ!」と西側のリーダーたちがこぞって退陣を要求していましたが、その後、その政治家たちの多くが失脚や手痛い目に遭ったことを「アサドの呪い」と呼んでいました。
「ゼレンスキーの呪い」についても、時間が経つにつれ徐々に浮き彫りにされてきており、もはや見逃せない「パターン」ができてきている様子。
アレックス氏の動画を元に、これまでの呪いの犠牲者をまとめてみました。
エレンスキーの呪いが英国で二度襲う。EUがイランに制裁、フランスのテレビ局が放送を中断
★イギリスのリズ・トラス辞任
・リズトラスは全く長続きしなかった。消費期限10日のレタスに負けたほどだ。
・ツイッター:「リズ・トラスの実績は、実際、すごいものだった。女王を埋め(彼女が女王に会ってまもなく女王が死亡した件)、イギリスポンドを暴落させ、保守党にとどめをさしたのだから」
これだけの業績を、わずか数週間で成し遂げたのだ。また「ゼレンスキーの呪い」が猛威を振るっていたようだ。
ちなみにトラスは首相になる前、国連の安全保障理事会だったと思うが「絶望的な立場におかれたプーチンが核兵器を使おうとしている」と非難した。その後、彼女に「あなたには核兵器を使うつもりはあるのか」と質問があった際、彼女は「もちろん!核攻撃のボタンさえくれたら、私は迷わず押しますよ!」と言った。
インタビュアーがそこで、「トラスさん、本気ですか?そういった決断をした場合にどうなるかわかっているんですか?」と聞くと、トラスは「もちろん理解してますよ!核兵器のボタンをさえ渡してくれたら押しますから!」🤡と答えていた。
最近の「プーチンは退陣するべきだ!」というのは、「アサドは退陣するべきだ!」と主張していた政治家がことごとく失脚したのと似ている。一方で、今でもアサドさんは同じ地位に居続けている。プーチンに退陣を求めている政治家たちがどんな結末を辿るか、先が見えるようだ。
・後継が誰でも、同じ選択をする限りは「呪い」に見舞われるだろう
ゼレンスキーの呪いは確実に、イギリスの政治システムに大きなダメージを与えたと言える。
トラスの後を引き継ぐ首相も、同じ道(ゼレンスキー支援)を選ぶと、同じように呪いにやられるだろう。ウクライナへの支援が強い程、悪影響は大きいようだ。
それは労働党党首のキア・スターマーが代表になった場合にも同じことが言える。この呪いは、政党や左派・右派という分類を超えるものだからだ。
★イタリアのマリオ・ドラギ:彼もゼレンスキーの呪いの被害者だ。
「イタリア大統領が議会を解散、ドラギ総裁辞任に伴う解散総選挙へ (6月)」
(出典:CNN)
・フランスのマクロン:マクロンは議会で劇的な敗北を受けた。
「フランスでメーデー集会に数千人が抗議(5月)」
(出典:Politico)
「マクロンの議会での敗北はヨーロッパにとって大打撃 (6月)」
(出典:The Article)
★エストニアの首相:連合政権が崩壊しいったん辞職したが、彼女はかろうじて復活している。
「連合政権を崩壊させたエストニアの首相が多数派政権のための連立契約に合意(7月)」
(出典:Yahoo News)
・ブルガリアのペトコフ首相:世界経済フォーラムのクラウス・シュワブのお気に入りだったが、わずか半年後の(6月)に失脚した。
「ブルガリアの親欧米政権が過半数割れでわずか半年で崩壊 (6月)」
(出典:ガーディアン紙)
★スウェーデン:右派に敗北したスウェーデンのマグダレナ・アンデション首相も、ゼレンスキーの呪いを受けたということになるだろう。
「スウェーデンの首相、全投票数で敗北を確認し辞任 (9月)」
(出典:ブルームバーグ紙)
★次の呪いの犠牲者は誰?予想一覧
これで全部だと思いますが、次は誰がこの呪いを受けるのでしょうか?
・ドイツのショルツ?ショルツにもこの呪いが発動するとみてまちがいないでしょう
「『レイプ目的で女性にドラッグ使用』スキャンダルがドイツの首相官邸を揺るがす」 (7月)
ドイツ社会民主党主催のサマーパーティーの後、複数の女性がめまいを感じたという。
(出典:RT)
・アメリカの中間選挙:11月に行われる中間選挙では、バイデンの民主党もこの呪いを感じるだろう。しかし共和党も、民主党が犯した間違いから学ぶべきだ。同じルート(ウクライナ支援)を選べば、党の行き先(敗北)も同じになるだろうから。この中間選挙は大きな呪いを受けるだろう。
(出典:MSN)
・カナダのトルドー:彼ももうすぐ、没落すると予想している。カナダとイギリスは制裁を一歩進めて、ロシア正教の総主教にまで制裁を与えた。イギリスで呪いが特に強いのはそのせいかもしれない。
(出典:時事ドットコム)
*******************************
★「ゼレンスキーの呪い」を退ける、唯一で単純な方法とは?
・イギリスのトラス政権の敗北は、同国のDSが労働党党首のキア・スターマーを首相に挿げ替えるために作り出した政権交代劇と言えるが、スターマーには何の具体的な解決策ももっていない。
イギリスの問題を根本的に解決するためには、ロシアに与えた制裁を撤回するしか方法はない。それだけシンプルなのことなのだ。撤回することで、回復に向かう余裕が生まれるから。
経済制裁の撤回をするだけの度量のある人間でない限りは、誰が首相になっても変わりはない。
★その他の最近のニュース
・ドイツのシュタインマイヤー大統領はキエフへの訪問を「防衛上の問題」を理由に延期させた。つまり、ロシアが何か大きなことを計画しているからだ。
「シュタインマイヤー独大統領、長らく待っていたキエフ訪問を取りやめに 」
(出典:Politico)
・イランのシャヒードを生産しているドローン製造企業に西側が制裁を与えようとしているが、これが西側のいつものやり方。
(出典:テレグラム)
・フランスのテレビ局で、現地の特派員がうっかりと「ウクライナ軍が病院など民間施設を攻撃し」と発言し、突然放送が途切れた件
(出典と動画:テレグラム)
(アレックス氏の動画はここまで)
*******************************
【コメント】
「呪い」にかかったといわれる西側の指導者たちは、西側を中心にした一極的支配体制の強化を狙うグローバリスト勢力のいいなりになって、異常としかいえない勢いでウクライナのゼレンスキーを支援し、ロシアの経済制裁という名前の自国崩壊政策を行い続けています。
結果、当然国内の経済が崩壊しつつあり失業も増加、燃料危機で来る寒い冬に暖房も、電気すら使えないという不安しかない社会情勢の中、国民の不満が当然現政党に向かい、破滅、という想像通りのパターンを辿っているようです。
★岸田政権も「ゼレンスキーの呪い」に?
日本国内の政治については、海外で報道が圧倒的に少ないせいか、アレックス氏は日本の現状についてはまったく触れていませんが。
自民党の岸田政権にも、「安倍晋三の国葬問題」や、そこから派生した「統一教会問題」でかなり手痛い批判が集まっていますね(^_-)-☆