今のパレスチナで起きていることは、「アラブVSユダヤ」という単純なものでは決してありません。
むしろ今のイスラエル政権が行っていることを見ていると、彼らはすべての宗教を敵視さえしているようにしかみえませんし。
今日投稿した、イスラエル軍による攻撃で多くの犠牲を出した教会の様子。
(出典と動画:テレグラム)
これだけを見ると、イスラム系のモスクとキリスト教の教会だけが被害を受けているようですけど、実際には、多くの本物のユダヤ系(ユダヤ正統派の一部)は、ずっとイスラエルという国家から絶え間ない迫害を受け、イスラエル政権に激しく抵抗し続けてきました。
イスラエル解体を目指すユダヤ教超正統派団体 ナトレイ・カルタ(3年前のロンドンで撮影された動画)
教えに基づき、シオニズムに激しく反対している超正統派
しかし、ユダヤ系の中でも超正統派と呼ばれるグループの一部では、ユダヤ教の教義の解釈を理由に、自分たちの国を持つべきではないと信じていて、そのために徹底した反シオニズム的な立場をとっています。(聖書やタルムードから、宗教学的なその根拠をまとめたもの👉リンク)
また、同じ根拠でイスラエルで義務付けられている徴兵を拒否するため、イスラエル政府に投獄さえされることもよくあります。
ユダヤ系の民族や思想の区分については、もうそれだけでかなりの情報になり、きりがないので割愛します。詳しい情報はあちこちでご説明されている方もいるので、今日は政治的な側面だけ。
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私が気付いたころには、欧米でのパレスチナ支援デモに彼らはパレスチナを支援していました。
2014年
同じユダヤ系と言っても、こういう人たちとは全く違います(出典)
今回のパレスチナ紛争激化が起きてからも、このような人たちが激しく反シオニストの主張、そしてユダヤ系=シオニストではない、ということを繰り返し強調しています。最近のものをいくつかまとめました。
流血はないものの、無抵抗で身を守るだけの正教徒に対し、容赦のない暴力行為が行われています。動画をご覧の際はご注意ください。
またスマホではテレグラムの動画も見れないこともあるようですが、PCでは動画を含めた動画を見ることができます。
These images were taken in New York. Thousands of Jews are protesting against Israel. Because Jews do not want to do military service in Israel, they are forced to do military service or arrested by Israel.
— Torah Judaism (@TorahJudaism) October 19, 2023
Zionism and anti-Israel Torah Jews hold regular rallies to protest… pic.twitter.com/40qJfZoF5q
この問題に関し、さらなる情報がわかりやすくまとめられた記事がこちら。
「#イスラエルはユダヤ人の国ではない」
http://quietsphere.info/torah-judaism/
★反ネタニヤフのデモに数万人のイスラエル人が参加 【市民の逆襲】(2015年)より一部引用
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★なぜユダヤ系とシオニズムの違いが区別される必要があるのか
ユダヤ系=シオニストと思い込んで、イスラエル政府の蛮行やシオニズム思想を理由にユダヤ人迫害が行われるおそれがありますし、実際にすでに始まっています。
(逆にアラブ憎しで、6歳の少年を殺害した事件も起きています)
★「反ユダヤ主義」という概念で、イスラエル政府に対する批判や、否定的な政治家が潰されているから
これまで何度も、イスラエル政府によるガザ侵攻に反対する政治家など著名人に対し、「反ユダヤ主義の人種差別だ!」とマスコミが総叩きにしてイスラエル政府の政策に反対する声が潰されるのを見てきました。
つまり、イスラエル政権批判という政治的な問題をし、「反ユダヤ主義」という民族問題と混合させることで、イスラエル政府への批判を封じてきたのです。
ホロコーストを理由に、「かわいそうなユダヤ人」というイメージが作られ、それに少しでも反対するととんでもない目にあいます。ホロコーストの如何さえ議論できる雰囲気ではありません(欧米には反ホロコースト主義だけで投獄される国もありますし、実際に何度もそういった逮捕のニュースを聞きました)。
【最近の実例】
最近も、ネタニヤフの風刺画を描いただけで「反ユダヤ主義」と激しく批判され、解雇されるケースもすでに出ています。
★「反ユダヤ主義」というでたらめな言い訳で、超人気だった政治家が失脚させれて、シオニストに置き換えられた
イギリスで若者を中心に、圧倒的な支持を得ていた元労働党党首ジェレミー・コービン氏も、ガザ侵攻を批判したために、「反ユダヤ主義の人種差別者」と決めつけられ、マスコミに連日批判されてその座を追われています。
(出典:アトランティック誌)
「労働党は現在、反ユダヤ主義の定義について議論している。最終的にどのような定義が選ばれるにせよ、おそらく多くのユダヤ人が好む定義にはならないだろう: 反ユダヤ主義者とは、ユダヤ人を必要以上に憎む人のことである」
彼ほど人種差別などという批判がふさわしくない人物など、今の議会には見つけることができません。
で、そのジェレミー・コービン氏を追い出して、次の労働党党首に党内で選ばれたのは、シオニストでなんと貴族のキア・スターマーでした。ついでにWEFの飼い犬の一人です。もうどの辺が「労働党」なのか、形骸化もいいところです。
労働党はコービン氏一人の人気でかなりの票を集めていたにも関わらず。このクーデターのような交代劇で、イギリスの労働党は一気に支持者(加盟者)が激減しました。
最近のイギリスで起きている、一連の激しい労働者ストライキにおいても、今の労働党は何もせず、むしろ否定的な立場です。コービン氏の方がよほど、現場に顔を出しています。
(出典:タイムズオブイスラエル)
イギリス政府が、どれだけイスラエルにとって都合がよい存在か、どうやってそれを維持しているのかが垣間見れるエピソードです。
イスラエルの戦争犯罪でさえ咎めもせず、イスラエル支援のためにそそくさと軍艦を近海に送る始末。
(出典と動画:テレグラム)
そりゃイギリス国民も怒って、連日のようにパレスチナ支援デモもしますよ!
今後も、こういった「反ユダヤ主義」という切り札が乱用される不幸を防ぐためにも、ユダヤ系で反シオニストの彼らの存在はとても貴重です。
とりあえずアラブVSユダヤというシンプルな対立構造ではないと。
石油などの地下資源などの政治的な問題も絡んでいます。ハマスも完全にパレスチナだけのことを考えている組織とは言えませんし。(ハマスについてもそのうちまとめます)宗教面では、黙示録の実現を狙っている勢力もあって、両サイドが盛り上がっていますけど。
2014年