ロシアのウクライナでの戦術核の使用が取り沙汰されています。長くなりましたが最後まで読んで頂けたら有難いです。
 
先日の鳩山元総理を招いての私の小さな炉端政治塾、思いがけず広島で被爆した橋爪文子さん91歳が鎌倉から見えて、生々しい被爆体験を語っていただきました。
 
衣類も吹き飛ばされて裸の幼女のお腹が裂けてピンク色の腸が飛び出している様、目玉が飛び出すのを必死に押さえながら歩いてる人
 
飛び出した目玉を手のひらで支えながら歩いてる人
 
着物を着ているかと思ったら皮膚が灼け落ちて垂れ下がりお腹から出てくる腸を押さえきれずに引きずって歩いている人
 
恐ろしい惨状を橋爪さんは綺麗な言葉で静かに淡々と語るのです。
 
私も叔父を長崎の原爆で亡くしましたが、日本は2度も被爆した唯一の国なのです。
 
鳩山さんは核の問題を次のように語ってくれました。
 
中国は核の先制使用を止めると表明、米国のバイデン大統領もそのつもりで核保有国で先制使用禁止協定を締結したいと。
 
ところが日本政府が、日本は米国の核の傘にあるので、米国が核の先制攻撃できないと困ると必死でバイデン大統領を諌めたとか。
 
そして安倍元総理などはウクライナ戦争が始まってからは堂々と日本も核の共有国になろうと言い始め、メディアもそのような報道を始めました。
 
日本が米国と核を共有するにしても米国の同意がなければ絶対に使用出来ず、むしろ有事には日本にある核基地がミサイル攻撃を受けることになるのです。
 
せめて鳩山さんが述べるように核保有国だけでも核の先制使用をやめる国際的な合意ができれば少しは安心できます。
 
そのような協定がされていない現状ではロシアによるウクライナへの核の先制攻撃も何の歯止めもないのです。
 
私はもう10年以上前になりますが、鳩山さんが総理の時、防衛庁の最高幹部と次のような話をしたことがあります。
 
当時の日本の仮想敵国は中国であると、そうであれば戦争になったら中国は日本にどのように攻撃してくるのかと聞いたのです。
 
私どもは中国軍は日本の原発が15基ある福井県若狭湾から攻撃してくると想定していますと答えたのです。
 
その直後に東日本大震災になり福島の第一原発事故が生じたのです。
 
当時の菅直人総理も語り始めたように、原発事故で東日本が全て壊滅するのではないかと恐ろしい思いをしたのです。
 
たまたま偶然にも貯水槽が落ちて一時的に冷却でき最悪の事態を脱することができたのです。
 
今回のウクライナ戦争でもドローン攻撃が活発になされていますが、若狭湾の原発基地を狙われたら日本の自衛隊は防ぐことはできないのです。
 
以来私は、日本は54の原発基地(2011.3.11当時)がある以上どんなことがあっても、もう戦争できないと考えてきました。 
 
そうでなくても日本は南海トラフ大地震や気候大変動によって、原発がいつ福島のような惨状にならないとも限らない状況にあります。
 
日本はいまだに使用済み燃料棒を大量にプールで保管していますので給水できなくなればすぐに限界に対して核爆発を起こすのです。
 
ドイツなどでは使用済み燃料棒はプール保管を禁止して空冷による乾式保管を義務付けています。
 
福島原発の時も試験的にステンレスの管に乾式で保管していた使用済み燃料棒は横倒しになっただけで何ともありませんでした。
 
事故直後、阿部知子議員のエネシフの勉強会にドイツからフランク・フォンヒッペルさんを呼んで、日本での燃料棒の乾式保管の方法について色々お伺いしたのです。
 
5年間プールによって冷却した燃料棒はそのまま乾式による保管が可能で日本は各地の原発基地に広大な敷地があるので耐震構造の建屋を作ればすぐにでも乾式保管を始めることができますと。
 
その費用に2兆円もかければとの話でしたが当時既に東電など9電力の原発に対する積立金だけで3兆円を超えていましたから、すぐにでも実現できたはずです。
 
なんとも残念な思いが残ります。 
 
(2012年2月29日のブログ)