華々しい仕事の陰で
海外部門を担当するM氏は、一年の三分の一を国外で過ごしています。そんなM氏を羨望の眼差しで見つめているのが、同僚のT氏です。
T氏は、出張帰りのM氏に、「君はいつも外国に行けていいよな。毎日会社で、事務作業をしているのが嫌になるよ」と、愚痴をこぼしました。
するとM氏から、「T君が内勤で支えてくれているおかげで、安心して海外で仕事ができるんだよ」と答えが返ってきました。さらに、言葉の壁や生活習慣の違いに苦労しながら、必死で仕事をしている様子も語ってくれました。
M氏の海外出張に、観光気分は一切ありません。数多くの商談をこなし、常に準備や後始末を繰り返しながら、様々な重圧に耐えてきたのです。
M氏の境遇をただ羨んでいたT氏でしたが、<自分はそれほどの努力をしていなかった。目の前の業務にまず全力を尽くすべきだ>と思い直しました。
「やればできる」とよくいわれますが、その前に、しなければならない努力があると自覚したいものです。
今日の心がけ;目の前のことに努力しましょう
<社団法人倫理研究所 法人局「職場の教養」より転載>