安部的手指のアウトプット(しなり×豆状骨×アクティブタッチ) | 毎日をちょっぴり生きやすくするあべもん(安部源生)のブログ

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作業療法士という生活を支える仕事をしています。講演会を全国10ヵ所以上でやっています。内容はセラピスト向けぁと筋膜、東洋医学、心理学。一般向けだとストレスケア、コミュニケーション など

皆さん、おはようございます!

OOOなセラピスト、
(Occupational therapy(作業療法)
×Oriental medicine(東洋医学)
×Oita(大分))

Oriental Physio Academy大分県支部長の
安部源生(あべもとき)です。

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今回、
アウトプットしたいのは

手指に対するアプローチ方法です。


東洋医学ではなく、
解剖学や運動学がメインに書いていこうかと思います。

基本的な所は少し抜かしてるので、
参考までにして頂けたらと思います。


①しなり

指の長さはそれぞれ違います。

しかし、
MP関節を伸ばしたまま、
PIP・DIP関節(第一・第二関節)を曲げると

指尖部の位置が揃います。




これが、
手指の関節に制限があると
うまく曲がりません。

以前紹介した、
皮膚のアプローチなどで

しっかり皮膚と腱などを滑走させる

必要があります。

手指にむくみがあると、
皮膚とその下のスペースがなくなり、
余計に滑走は悪くなります。

また、
手指の腱は

鍵爪状

の様な形状です。
腱が短縮すると、

遠位側の骨を引っ張ってしまいます

皮膚のアプローチに加えて、

腱に指を引っかけて
引き出してあげる

と効果的です。






また、
他の関節でも言えることですが、
関節が動くときに

遠位の骨だけが動くのではなく、
近位の骨が動くことで
「しなり」が生まれます。




この「しなり」を促すように
関節より近位の骨を
遠位の骨と反対方向に動かしながら
ROMをしていくと、

可動域の向上も見られます。
(もちろん、安定性=スタビリティと可動性=モビリティも考えていかなくてはなりませんが)


②豆状骨

手指の屈曲・伸展が出来たら、

今度はそこから

対立位

を取らなくてはなりません。

対立動作時には
母指球は良く着目されますが、
実は

小指球も重要です。

母指だけでなく、

小指が迎えにいく

ことも必要だからです。
(撓側・母指球側は可動性、尺側・小指球は安定性が要求されます。)




また、
小指が対立位になっていくためには
小指球筋の付着する

豆状骨の動きが重要です。

豆状骨は

尺側手根屈筋の停止であり、
手根骨で唯一可動性可動性があります。

ハンマーで叩く時など
力を使う際には、

尺屈が求められます


尺側手根屈筋→豆状骨→小指球筋
という風に
連鎖していきます。

極道もので、
小指がどうこう
なんて話もここから来てるのかもですね。

ちなみに、
10歳くらいから急に握力が上がるのは
これが出来るようになってくるからだそうです。


アプローチとしては
まずは、
豆状骨をしっかりとつまみ、

上下左右の動きをしっかりと出していきます




次に、
豆状骨が動いてきたら、
小指球筋のふちが
中手骨に出てくるので、

母指球方向に向けて
押していきます。




母指球と小指球をくっつける感じです。


対立位に持っていくには

MP関節の靭帯や
手根中手関節の
可動性も重要です


それらのモビライゼーションを行っておくと、
体立動作へのアプローチが
より効果的です。



③アクティブタッチ

実際に①、②を
動作のなかに組み込んでいきます。

指を使って
ものを使うときは
(箸やペンの使用時、)

指尖部がくっついた状態で可動すること

が必要です。

また、
指尖部がくっついた状態で可動するためには、

中手骨より遠位は回旋する

必要があります。
(ものが触れて、手指が回旋することを
アクティブタッチ
と言ったりします。
本来、手指は自動では回旋てきません。)





アプローチとしては、
②で作った対立動作に

回旋動作を加えます

母指球と小指筋がくっつき、
指全体がが
全部しっかりとくっついた状態で
指を捻ります。



中手骨(黄色)部分と
それより遠位(ピンク)部分を
タオルみたいに絞る感じに施術します。
アクティブタッチを促す感じです。

また、
このアプローチをすると、

手指の伸展も出やすくなります


今回は①~③としましたが、
僕は

順番を変えたり、
平行して行っています。




いかがだったでしょうか?


今回は解剖学や運動学がメインでしたが、
東洋医学的な視点も
プラスしていきたい所ですね。



最後まで読んで頂きありがとうございました!
これからも、よろしくお願いいたします!