「腕がいい」と「小手先芸」のちがい~なぜ手の元穴は末端にあるのか?~ | 毎日をちょっぴり生きやすくするあべもん(安部源生)のブログ

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作業療法士という生活を支える仕事をしています。講演会を全国10ヵ所以上でやっています。内容はセラピスト向けぁと筋膜、東洋医学、心理学。一般向けだとストレスケア、コミュニケーション など


皆さん、こんばんは!

OOOなセラピスト、
(Occupational therapy(作業療法)
×Oriental medicine(東洋医学)
×Oita(大分))

Oriental Physio Academy(OPA)
大分県支部長の
安部源生(あべもとき)です。

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「いい仕事」をする職人のことを、
昔から
腕のいい職人
と言います。

手は「第2の目」とも呼ばれ、
重要性は誰しもがしっていることなのに、
「手」より「腕」の良し悪しを問われます。

体軸理論で知られる
高岡英夫先生は
著書、「究極の身体」の中で
こう書いています。

以下、引用
『私は、最高度に優れた身体=「究極の身体」に定義というものがあるなら、
その第一の定義は
身体が組織どおりに分化していること
だと考えます。
組織というのは
様々な性質・形状を持ったパーツが
ある機能を発揮するために
特有の結び付きをして、
全体として大きな統合性を持った存在
なのですから、
その組織を性質の違うパーツごとに
本人が分化し、
認識出来ている状態こそ、
「究極の身体」と言えるのです

多くの人が手の甲をイメージするとき、
一枚の板なような塊のイメージを持ちます。
実際の指の使い方を見ても、
MP(第一関節)から先だけで
なんとか動かそうとしています。


高岡英夫「究極の身体」 131ページより

では、実際に「腕のいい」人たちの動きはどの様になっているのか?

共通しているのは、
「中心固定の末端無理操作」
ではなく、
「中心操作の末端有利操作」
という点です。

前者は
中心を固定させて、
末端だけを運動させること。
後者は
中心を操作し、
末端に無理な運動をさせない
ということです。

実際に
「腕のいい」人たちは
指だけを動かすのではなく、
前腕を機能的に組織分化しています。

前腕にある指を動かす筋肉が
5本の指を前腕まで引き込んだような使い方が
できるのです。

「鍵盤を叩いているのは指先だけど、
鍵盤をとらえているのは
5本の指に分かれた前腕」

「中手骨が一本ずつそれぞれ独立して動き、
8つの手根骨もバラバラになって反応する」

といった職人芸となるのです。


高岡英夫「究極の身体」 134・135ページより

また、達人の人たちは
前腕の回旋をよく用います。

回旋の動きは
手が物と関わる角度関係をコントロールします。

手が使いやすい、物を持ちやすい姿勢というのは決まっています。
そのため、
手や手首の形を変えることなく、
前腕の回旋で
手のアングルを調整すれば
より、合理的に身体が使えます。

同じように肘の位置も合わせれば、
手の形、手首の角度を変える必要はありません。


そこで、
タイトルの通り
手の原穴を見てみたいと思います。
(原穴とは経絡の中でも異変がまず、起こるツボと言われています。)

手の原穴の多くが
手関節周囲に位置しています。




手首や手を操作する前腕の筋腱の通り道が多いように感じます。

アナトミートレインでも言えることですが、
下流=末端の過使用は上流=中枢の過緊張を引き起こす
ことがあります。

本来、前腕の回旋で操作すべき所を
手首、「小手先」で調整しようとするため、
上肢や頚部に引き起こす

と僕は捉えています。

最近始めた、
弓道でも
「手の内」と呼ばれる手の形を最初のうちにつくり、
そのあとは
手や手首は動かしません。
むしろ、
力を抜けと言われます。
けっこう弓を引くのには力がいるんですけどね。

鉛筆を握るときにも
鉛筆を保持する「かまえ」に
余分な力が入っていると、
その後の「動作」にも余分な力が入ってしまいます。




皆さんも
動作をするときは
手の力を抜くことも意識してみてください。
力を入れる練習はしても、
力を抜く練習はあまりしないので。

また、
実際にやりにくい動作があるなら、
上記の原穴を押してみましょう。

DFAL=肺・大腸経の伸張刺激の
頭部:後屈、回旋
肩関節:伸展、内旋
手関節:尺屈
がしづらいなら、




SFAL=心包経、
頭部:側屈
肩関節:水平外転
肘関節:伸展
手関節:背屈
なら



DBAL=心・小腸経、
頭部:前屈
肩関節:屈曲(上肢の挙上)、外旋
手関節:撓屈
なら



SBAL=三焦経、
頭部:側屈
肩関節:水平内転
肘関節:屈曲
手関節:掌屈
なら



を押していくと、
それぞれの動作が楽になったりします。

もう少し細かい所は
少しずつまとめていきたいです。


最後までお読みいただきありがとうございました!
これからもよろしくお願いいたします!
お体に気を付けてお過ごし下さい。