【ここ半年くらいで気になったADVニュース】
1.巧舟ディレクションによる『逆転裁判』新プロジェクトが始動。
キーワードは「これまでのシリーズ作とはまったく異なる作品になりそう」とのことで、言葉の意味そのままで受け止めれば、ナンバリングではなくスピンアウト的な変化球タイトルになる可能性が高そう。(ちなみに『逆転裁判5』はナンバリングと当初よりアナウンスされ、『逆転検事』はNew逆転Not裁判と銘打たれていた)
巧さんの前作である『レイトン教授VS』自体が題材に西洋ファンタジーを選んでるわけだし、、今までの設定が全て江戸時代に置き換わって大岡越前と討論し始めるくらいのナックルボール投げつけられてもおかしくないんじゃなかろーかと。まあそれは冗談だけど、『逆転裁判』自体が進化の天井がGBAで停止しちゃってる感があるわけだから、従来とは別のアプローチというのはアリなはず。問題は『GHOST TRICK』のようにマニアックな嗜好性にならないかという点で、そのあたりどうなるのかを楽しみに本発表を待つのが吉なニュースでしょう。
2.『探偵 神宮寺三郎』シリーズのアーカイブス配信が再開。
PSアーカイブスでの配信を停止していた『未完のルポ』『夢の終わりに』『灯火が消えぬ間に』『アーリーコレクション』の4作が、販売元をワークジャムからエクスプライズ(たぶんここ)へ変更して配信再開。
そもそも『灰とダイヤモンド』やVCなどのアークシステムワークス名義で配信されていたものは停止にならなかったことを考えると、まあワークジャムが潰れちゃったセンが濃厚(確定情報が出てないので断言はできないけど)でしょう。状況的にはデータイースト解散当初の版権が宙に浮いていた時期、メディアリングが一瞬パブリッシャーをしていたのと大体同じかと思われ、当時のワークジャム的な権利を引き継いでシッカリ展開してくれるような会社が現れない限り…ついに、というのが現実路線。我々ファンは『メタルマックス』的に不死鳥の如く蘇ることを信じて生きるしかないんじゃないかなと。ブランドとしては傷みまくりだけども、まだ1~2万本くらいの集客能力はあるわけだし、モバイル媒体にも顔が効くンで…どこか心優しくて潤沢な資金力もあってゲームの本質を変にいじらないメーカーさん、いたらヨロシクお願いします。(切実)
→アドベンチャーゲームの値打ち:探偵 神宮寺三郎篇
3.科学ADVシリーズ第四弾『Chaos;Child』が発表。
要は『CHAOS;HEAD』の次回作。若手スタッフやアニメ出身者(アニメの血が入らないとADVに進化はないかなと思ったとのこと)が参加しているそうで、シリーズ内では実験的な意味合いが強い作品になるのでは。
そりゃ確かに『CHAOS;HEAD』も累計6万本売ってる人気作品なんだけども、家庭用におけるこのシリーズは『Steins;Gate』で立身出世したのは言わずもがな、恐らくファンが待ってるのは「Steins;Gate世界観×従来スタッフ×huke作画」の新作なワケで。それは5pb.も重々承知なのだからこそ「まだ引っ張ります」ってことなんだろうけど。逆に言えば、それはこのシリーズ的に最後の切り札なのだろうから、本作の動向如何で出るかどうかが決まりそう。まあつまり、アウトカウントは三つまで(既に『Robotics;Notes』でワンアウト)ってことですな。
4.『ダンガンロンパ』がPSVitaのソフトとして海外へ進出。
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海外展開は初代企画書の段階で構想されていたので念願のそれだったんだろうけども、対応機種が国内以上に厳しい海外のPSVitaという時点で…というのが素直な感想。いやまあ、海外レビューの評価はすこぶる良かったみたいだから、国内で言うところの『Steins;Gate』的な曲線を描く可能性もあるだろうけど。せめてiOS/Androidの移植も同時展開くらいしないことにはナード向けのカルトとして埋もれるのが必然なんじゃなかろうかと。この辺の軋轢こそ国内ニーズ特化ジャンルたるADVの良いところでもあり、短所でもあるわけで。仮に各社の敏腕プロデューサーが鼻息荒くADVの海外展開を唱えているなら、今後更にスマホへの移植が賑わうことになるじゃないでしょうかと。
5.『Steins;Gate』も海外進出。そしてなぜか中国語版も登場。
ビジュアルノベルは少数ながら海外に輸出実績があるし、『薄桜鬼』も『Hakuoki』として移植されちゃってる現状考えれば、まあはい。この流れは恐らくノベルゲーム文脈上にあった『極限脱出9時間9人9の扉』『善人シボウデス』が海外で“今までにないもの”として過大評価(あえてそう言います)を受けたのが大きいと思うんだけど、ただループ系の作品って国内では10年くらい前には既にアイデアとして枯渇しちゃってる(『ひぐらし』も『Steins;Gate』も過去のノウハウの集合体だから)わけで、傑作とされているものでも一気に押しかけちゃったら数作で飽きられるのが関の山では。って思っちゃうのは罪なんでしょうか。
6.『ロボティクスノーツ』の完全版がPSVita向けに登場。
システムのルールから手直ししないことには評価を覆すほどの修正は不能な作品だと思うけど、それやるくらいなら新作に注力して貰ったほうが建設的だろうなってゆーアレ。まあ動向からして5pb.はVitaに本気ってことは間違いないんだろうけど。
【コメント】
春恒例のコナンの新作も日本一ちゃんがついに道を踏み外したのも、
今井監督の2作(どうも魔人シリーズをADVとしてカウントするのにどうも違和感がある)も
些細なニュースすぎて取り上げる気にあんまりならないのが辛いところ。
この絶対数の少なさ、企画の狭さはやっぱり冬の時代特有のそれなんだと思いますよ。