ホラーだ、ゴアだ、オカルトだ!真夏のアドベンチャーゲーム特集 | アドベンチャーゲーム研究処

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アドベンチャーゲーム(AVG・ADV)の旧作から新作まで、レビュー+紹介を主として取り上げるブログ。(更新は不定期)
取り上げる範囲は家庭用のみです。

【概要】
例年になくホラーゲームが発売された今夏のADVをほのぼのレビュー。
クリア進行度によって増えていく予定。

【ホラーだ、ゴアだ、オカルトだ!真夏のアドベンチャーゲーム特集】

マーダード 魂の呼ぶ声
PS3・XBOX360・PS4『MURDERED 魂の呼ぶ声』
販売:スクウェアエニックス 開発:スクウェアエニックス・Airtight Games

 近年、国内主導のCS企画は有名シリーズに絞っているイメージの強いスクウェアエニックスには珍しく、日米共同制作でのリリースとなった幽霊が自分を殺した犯人を捜査する探偵アドベンチャー。企画はスクウェアエニックス側が、開発は海外チーム(『Dark Void』のAirtight Games。ちなみに本作の発売直後にこのスタジオは閉鎖している。)が行うという体制が敷かれ、日本発らしいアプローチながらだいぶグローバルな雰囲気を醸しているのが特徴。

評価:52

 オープンワールドものでは多く抱えている問題だけど、立体での現場検証は調べる範囲が大きく総当たりするにも目星がつかなすぎて面白くない。かといって設定を生かした聞き込みが楽しいかといえばそうでもなく、確かにオブジェクトを突き抜ける仕掛けは新しいけど骨組みへの影響力は希薄で、作りとしては限りなく中途半端。その中途半端さをとっ散らかさず小皿にまとめてるあたりは実に“日本のADV的”な作品でもあり、筋道はキチッと引いてあってテンポ感が意外と良いのは評価点か。話もゲームプレイも予定調和にも程があるけど、そのチープさをご愛嬌と取れるぶんには嫌いではない。

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PS3・XBOX360・PS4『VALIANT HEARTS: THE GREAT WAR』
配信:Ubisoft 開発:Ubisoft Montpellier

 第一次世界大戦を舞台にしたパズルADV。非暴力的なパズルと暴力的な戦争という異色な組み合わせと、等身大の目線を売りにした戦争描写から国内外で高い評価を得ている。開発はUBI内では『レイマン』シリーズを手がけているUbisoft Montpellier。

評価:52

 パズルものとしてはいたって平均的な出来で、資料とリンクした劇中のディティールを楽しめるかが重要な作品。売りは等身大の視点で第一次世界大戦を題材にしている点なわけだけど、取り上げられている史実の悲壮感と比べ、フィクション部分の如何にもゲーム的な場当たり展開は白々しく、戦争ものとしての説得力を失わせている構図にしかなっていないのが残念。この種の作品がドンパチから抜け出した時点で「シリアスなソフト」として売りモノになっている現状は正直疑問。

コープスパーティー BLOOD DRIVE(通常版)
PSVita『コープスパーティ BLOOD DRIVE』
販売:MAGES. 開発:5pb.Games・チームぐりぐり

 『コープスパーティ』シリーズのCS第4弾であり1作目からの舞台だった天神小学校編の完結作。RPGツクールに準拠したトップビューだった1作目の『ブラッドカバー』から一新して全面3D化がなされ、システムに暗さの概念が取り入れられるなど、ノベルゲーム化していた近作を離れ原点からの正統進化を試みているのが特徴。話としては完全に続きものなため、新規プレイヤーは第一作から入るのが得策。

評価:50

 オタク畑のクリエイターを放し飼いにすると、キャラクターの造形・デザインともに原色系に染め上げられ、自意識が過剰に溢れ出すのは永遠の謎(同族に媚びた結果なんだろうけど)で、売りだったアングラ路線はなりを潜め、ホラーとして話の筋を追うには致命的なまでに“怖くない”。長い上に頻発するロード、目的地不明で探させられる新イベント、怖いというよりウザい幽霊。設計的な問題点は挙げればキリがないけど、カユイところに全く手が届かないのは元からなわけで。やっぱり演出的な部分で2Dトップビューを超えられていないのが一番痛いかな。出口のなかったこのシリーズにケリをつけたのは評価点。

真 流行り神
PS3・PSVita『真・流行り神』
販売・開発:日本一ソフトウェア

紹介
 『3』で完結した『流行り神』シリーズのリスタート作品。キャラクターの一新、分岐のメカニズム変更、新システムの導入、シリーズ初のCERO[Z]判定など『真』を銘打っただけあって変更点が多いのが特徴。

評価:未クリア

 クリアしたら書きます。

絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode(特典無し)
PSVita『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』
販売:スパイクチュンソフト 開発:スパイクチュンソフト・シェード

 シリーズ初の3DアクションADVを名乗るTPSアクション。タイトルからも解るように、外伝として『1』と『2』の間を埋めるストーリーが展開される。「クローズドサークル」「人狼」「デス・ゲーム」などのシリーズではお約束だったミステリー部分を撤廃し、よりそのジャンル寄りなシナリオ内容をしているのも特徴。ちなみに初代の時点で当時も不振だったADVの企画を通すためにハイスピード推理アクションと名乗っていたので、元からジャンル表記はA・ADV。

評価:不能(ジャンル違いなため)

 ジャンルは変われど結局テキストとムービーでストーリーラインを描いているので、リアルタイムなアングルが取り入れられている現在のA・ADVの潮流からは7~8年前くらい離れた水準。ビジュアル・世界観売りのACTとして見るとなんちゃって『ノーモア★ヒーローズ』と言って問題ない。それでもグイグイ引き込むシナリオとキャラ転がしは流石で、国産でしか楽しめないそれなのも事実。解りやすく痛い設定で、だからイコール絶望なのはそろそろ底が浅いけど、シリーズファンなら十分楽しめるのでは。

【コメント】
凡作祭りというのが当面の感想。