昨年1月にムンバイに到着してから、言葉の通りバンスリ漬けの1年間でした。
インド音楽でもっとも尊い巨匠であるPt. Hariprasad Chaurasiaに師事する様になってから、あり得ない奇跡続きで、沢山の貴重な経験をさせて頂いています。
そんな一年の締めくくりは、バングラデシュ首都ダッカで行われた、世界で一番大きなクラシック音楽のフェスの、最後のパフォーマンスでした。
フライト手配の問題や、前日までビザのいざこざが有り、これが終わったら2度と行くか!
と思っていたのですが。
(当日の入国検査でも思ってました…。)
どうしても私に経験させたいと言っていたグルジの言葉を何度も思い出し、やっと当日を迎えたコンサート。
本当に素晴らしい世界でした。
70,000人の観衆が音楽を楽しみ、真剣に聴いていました。
近くにいすぎて、グルジのすごさを忘れてしまう事が多々ありますが
毎年、これだけ多くの人達がグルジの演奏を楽しみに待っている。 その中心で誰も聴いたことのない新しい音楽をライブで作り上げるグルジの姿に感動しました。
当日、数時間前まで別の音楽を奏でる予定でした。
本場直前に、新しいラーガを演奏すると良い、開演間近の楽屋で、私と兄弟子のビベックにその場で考えた音階と曲を二曲教えてくれました。
空から音楽が降ってくるそうです。
急遽決めた即興の演奏も、私が今まで聴いたどんな演奏よりも迫力があり、トップのタブラ奏者シュバンカルジとパカワジのババニジの伴奏で一層力強く輝いていました。鳥肌ががたちました。
そんな舞台で、セカンドフルートとして演奏させて頂きました。
本当に奇跡的で光栄な事ですが。
そんな事よりも、それを私に体験して欲しい。
と、心から思ってくれたグルジの気持ちが一番ありがたいです。