ちょっと話、走ります！
オレはCigさんに置き手紙を残して、Cigさんのアパートメントを出た。
家出二日目の夜は、ギックンのところに行ったんだけど、
確か、ギックンも既にオレが居なくなった事をスタッフさんに聞いて
た。
ギックンの部屋はシェアアパートメントで、
４DKくらいのアパートメントを、四人で共有してる感じ。
前に遊びに行った事があったから、一人一人の部屋も狭いし、ギックンにも迷惑を掛けれないので、とりあえず一泊だけさせて貰ったんだ。
ギックンに、スタッフさん
特にディレクターのFさんや、ホッティさんが心配してたよ。って話聞いて
わかってた事なのに胸が痛んだよ…
オレ、自分勝手だよね。
ギックンちに一泊した後、オレは自分のアパートメントに電話してみたの。
でもこれね、スタッフさんと話す為じゃなくてね、
そう、タンス貯金を取りに行くタイミングを見計らう為の状況把握の手段…
プルルルル。
「はい。」
う、受けた！！！
けど、これは予想してた事。
オレね、ホッティさんか誰かが、きっとオレからの連絡、もしくはオレが戻って来るのを
アパートメントの部屋で待機しながら、待ってる可能性も想定してたの。
だから、直ぐにタンス貯金を取りに行かなかったんだ。
悪知恵だよね…
でも、電話を受けた声が意外な人物の声だったの！
この時点ではあくまで憶測だよ。
ディレクターT田さんだ。
Fさんでも、ホッティさんでもない。
オレが家出をする三日くらい前ね、担当のディレクターさんに新しい方が加わって下さったの。
番組ももしかしたら、あの時期オレがブヨちゃんの事や、
いろんな色々があって、
ちょっと不安定になってたって気付いてたのかも知れない。
だから、もう一人新しく担当のディレクターさんとして、T田さんがNYに来て下さってたんだ。
T田さん…
担当して直ぐにオレが家出しちゃって。
ごめんなさい、ごめんなさい…
本当に心から思いましたよ、本当に。
でも、まだ帰れない…
帰らなかった。
ぞくに言う無言電話、オレは無言で電話を切った。
……………………
三日目の夜はクイーンズの、Tomomoがホームステイ形式で住んでる家に泊めて貰ったんだ。
なんか、こんな時に不謹慎だけど
出窓があって、おとぎの国の部屋みたいな感じの可愛い部屋だったな。
クイーンズには可愛い公園、可愛い家が多い。
-Tomomoから聞いた情報-
Tomomoが手伝ってるデザイナーで、オレのチャリ友のジュディが
「AKIUE-GO」の前を、自転車を引きながら通り掛かったら、
オレの行方が不明なんだけど、知らない？って
スタッフさんに聞かれたって。
二日前にオレね、Tomomoに連絡取る為に、ジュディのアトリエに電話してたんだけど、
ジュディはスタッフさんにしらばっくれてくれたんだって…
ジュディ、ごめんね。
番組スタッフさん達、ごめんなさい。
……………………
家出三日目の夜はこうして更けた。
これで、オレの情報収集と、
そして泊めて貰う頼りの人達もTomomoが最後。
……………………
そして家出四日目を迎えた…
今夜、オレはタンス預金を取りに戻る計画を決行する。
そう、そしてオレは、結局無事にタンス預金を手にしたんだ。
その方法を次回、明らかに。