「晴天の迷いクジラ」 | 物語の庭

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カフェと図書室、わたしの人生。

新年1冊目に読んだ本。
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「晴天の迷いクジラ」
窪 美澄 著
新潮文庫


この本を新年最初に読むなんて、今年もなかなかいい読書の年になるんじゃないかしら、と自分のチョイスににんまりします。

久しぶりに読み応えのある、良い本を読みました。
作者の窪 美澄さんにお礼を言いたいくらいです。

しかして、この作品、
読み終わるまでは非常に辛い。

登場人物たちに感情移入しながら、出勤途中の電車なんかで読んでますと、
その日は1日中どんよりとした気持ちで過ごすことになるので注意です。
わたしはなりました。笑

でも、読み終わった後は、そのどんよりとした気持ちがぱぁっと晴れ渡って、前向きになれます。

3人のその後の物語を、もっとずっと読んでいたくなりました。


この作者さん、衝撃のデビュー作「ふがいない僕は空を見た」で、
なんかすごい作家さんが出てきた!と思っていたのですが、
わたしの大好きな作家の白石一文さんが、今回の解説の中で手放しで絶賛しておられて、
なんとなく我が事のように嬉しかったです目

その白石さんの解説に、
こんな言葉がありました。

「小説なんて娯楽の一種に過ぎないといった誤った通念がはびこりつつある昨今、一人一人の人生への救いとなりエールとなる小説がいまでも充分に成立し得るということを、この『晴天の迷いクジラ』という作品は身を以て証明している。」


生きるとはなにか、人を愛するとはどういうことかを深く突き詰めていく白石作品もそうですが、
わたしが昔、白石さんの小説に救われたように、
今、生きるのが辛い、苦しいと思っている人が、窪さんの小説に救われるといいなぁ、と思いました。


窪 美澄さんの小説、これからも大切に読みたいと思います。


そして、白石さんの仰るように、
「人生への救いとなりエールとなる小説」、
自分と向き合う物語を、これからも読んでいきたい、と、
改めて思いました!


今回、小説の内容にはまったく触れませんでしたが、
気になった方はぜひ読んでみてくださいねニコニコ

それではまた星