「れんげ荘」 | 物語の庭

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カフェと図書室、わたしの人生。

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「れんげ荘」
群ようこ 著
ハルキ文庫


知り合いにおすすめして貸していた本が返ってきました。

きっと、共感してくれるだろうな~と思ってお貸ししたのですが、
とってもとっても気に入ってくださったとのことでニコニコ
何度も読んで、
お母さまにもすすめたら、これまた大変気に入ってくださったそう。

この本との出会いにひと役買えたようで、わたしも、すごく嬉しかったですラブラブ



長く会社に勤めていると、
価値観というものが、ガチガチに固まって、
それが自分の生き方だと錯覚してしまう時があると思います。

そのまま疑問も持たずにいけたら、それはそれで楽なのですが、
これはどうなの?
もっと別の生き方が自分にはあるんじゃないの?
と、思ってしまう時。

決断は人それぞれだと思いますが、
いずれにせよ人生の大きな転換点ですよね。


この本の主人公、キョウコは45歳で会社を辞めて、
残りの人生を働かずに貯金だけで暮らそうと、
月3万円の安アパート、れんげ荘に移り住みます。

これまでの忙しい日々から一転、
なにもすることがない暮らし。

アパートの古さゆえ、梅雨の湿気や冬の寒さに辟易するキョウコでしたが、

なんにもない日常の中では、
ブランドの服やカバンを買わなくても、
部屋に花を飾ったり、
丁寧にいれたお茶を飲んだりすることが、
とても贅沢なことに思えてくるんですね。

なにも起こらない、けれど、誰にでもできるわけではない、
キョウコの暮らしは、
自分にとっての本当の豊かさや、幸せってなんだろう?
ということを考えるきっかけになってくれますよ。

自分は果たしてれんげ荘で耐えられるだろうか…?
とも思ってみたりにひひ汗

淡々と描かれるキョウコやれんげ荘の住人たちの日常も楽しいです。
しかし、
現実の部分、シビアな部分や
迷ったり弱気になったりするキョウコの姿もしっかり描かれていて、いいお話だと思います。

果たしてキョウコは働かずにれんげ荘で暮らし続けていけるのでしょうか?

興味のある方はぜひ読んでみてください星


それではまた。