フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし | 物語の庭

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カフェと図書室、わたしの人生。

先日の朗読カフェでは
じんさんにまたいろいろと絵本や紙芝居を読んでいただき、
ほっこりした時間を過ごしました☆

ありがとうございましたv(^-^)v


今回わたしからリクエストさせていただいたのは、
これ。
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「フレデリック  ちょっとかわったのねずみのはなし」
レオ・レオニ 
訳  谷川俊太郎



シンプルだけど奥が深くて、
いろんなふうに読める本だと思います。

冬を越すために、ほかのねずみたちが一生懸命食べ物を集める中で、
フレデリックだけは違う。
彼は、お日さまの光や、色や、言葉を集めるのです。
みんなから変わり者扱いされても。



図書館でこれを読んだ時、
わたしはすごく感動しました。

なんでかって、
図書館で働いていると、
時々とても、
忙しそうな世の中の人たちに対して
後ろめたい気持ちになることがあるんですね。

本なんて読まなくても生きていける。

そんなことより、今すぐ必要で大事なことがたくさんあって、
それに従事している人たちのほうが、よっぽど立派なんじゃないかって。


世の中の、本を読まない人たちからしたら、怠け者みたいに思われてるんじゃないかしら…
なんてね。


だけど、

生きていくのに必要なものって、
お金とか、食べ物とか、家とか、
「モノ」だけでいいかって言ったら、決してそんなことはないですよね。
わたしはそう信じたいんです。



話が変わりますが、
数年前、大阪では財政立て直しのために某橋下府知事によって文化施設がどんどん潰されてしまいました。

それはもう
大阪から、「文化」や「芸術」をなくさんとする勢いでした。

吹田の国際児童文学館や森ノ宮のプラネットホール。
わたしの大切な場所が次々なくなっていくのは悲しかった。


マーケティングや数字に表せない価値というもの、
人間として豊かに生きていくために、心の眼で見るもの、
そういうものが、大切なことで、
人の手で残そうとしなければ消えていってしまうから、
少しくらい、食べるものに困っても、
大切に残してほしかった。



フレデリックが信念を持って集めたものは、長い冬の中、美しいものや言葉に飢えた仲間たちから必要とされ、最後には喝采を受けるのです。

変わり者で、働かない、みんなと違うことをするフレデリックを、
受け入れてくれて、その価値を認めてくれる仲間たち。


「そう いう わけさ」

って、作者のレオ・レオニさんの言葉のように聞こえます(^_-)☆


お話は知らなくても、この愛らしいねずみは知っている人も多いかもしれませんね。

昔から読み継がれてきた絵本です。
機会があればぜひ読んでみてください。


それではまた。