短編 22.弟みたいなキミにときめくなんてありえない | 「蒼い月の本棚」~小説とハムスター(ハムちゃん日記はお休み中)~

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趣味で小説を書いています。絵を描いたり写真を撮ったり、工作をしたり書道をしたり、趣味たくさんです。古典で人生変わりました。戦国時代&お城好き。百人一首とにかく好き。2016年、夢叶って小説家デビューできました。のんびり更新ですが、どうぞよろしくお願いします。




第1話はこちら↓




ヒル、感染症、死ぬ…。
あまりにも唐突すぎて、パニックになりそうだ。
「いいか、よく聞け。死にたくなければ、熱が下がるまでは動くな」
男は私の腕を掴むと、布団へ引き戻した。
「でも…」

「でもじゃねーんだよ!」


戸惑う私に向かって、男の手が飛んでくる。反射的に目をつぶると、バチンとおでこに男の手のひらが張り付いて、そのままぐいっと押されて倒された。
「まだ熱がある。これを口に含んで寝ろ、話はそれからだ。それに、これも預かってるしな。言うこと聞かなきゃ返さねーぞ」
男の手には、私の携帯が握られていた。返してと言おうとして開いた口に、飴玉のようなものを一つ放り込まれた。
「っ、苦っ!」
「薬だ。さっさと飲み込め」
本当かどうかわからない。どんな薬かもわからない。私は、それを飲み込まずに吐き出した。
「お前、よくも…!まあいい、放っておいたら末端から腐ってどうせ死ぬ」






つづく