短編 29.弟みたいなキミにときめくなんてありえない | 「蒼い月の本棚」~小説とハムスター(ハムちゃん日記はお休み中)~

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趣味で小説を書いています。絵を描いたり写真を撮ったり、工作をしたり書道をしたり、趣味たくさんです。古典で人生変わりました。戦国時代&お城好き。百人一首とにかく好き。2016年、夢叶って小説家デビューできました。のんびり更新ですが、どうぞよろしくお願いします。



第1話はこちら↓




背が高く、髪も瞳も栗色のマーサ。笑顔は、真夏の抜けるような青空みたいに透き通っている。私を見つめる大きな瞳があまりにキラキラしているので、ちょっと緊張した。

「あ、はい、よ、よろしくお願いします」

「あはは、たしかに面白いね、ネズミちゃん」

「いや、私はネズミじゃなくて…」

「お前ら、メシにするぞ!」

「はあーーい!」

マーサは勢いよく返事して、私の前から離れた。まあいいか、名前なんか後でいくらでも言う機会があるだろうし。

私も小さく返事して、カズナのいる囲炉裏に向かった。


ご飯はとてもおいしい。私は食事をしながら、カズナにたくさん質問した。カズナはマーサがいるとよく話すし、よく笑う。2人は息の合った漫才師のように、会話を楽しんでいた。

「マーサは、この森で合宿所をやってて…」

「いや、ちょっと待て、合宿所じゃなくて、宿泊所。れっきとした宿屋だから」

「でも、金とってないし、あいつらと一緒に生活してるだけだろ?」

ふむふむ。この森には、私たちの他にも人が住んでいる。

「それはさ、それぞれ事情があるからさ、金の代わりに、こうして弁当作ってくれたり、勉強を教えてくれたりさ…」

「それじゃ、生活できないだろ?」

「カズナだって、俺たちのケガや病気を、金をとらずに治してくれただろ」

ふむふむ。ということはつまり、カズナは医者で、ここは病院ってことか。だから私を助けてくれたってわけね。

「だって、お前、金ないじゃん」

「カズナもだろ?」

「俺はあるさ。無謀なお前とは違うんで」

「そうだけどさ。だから、こうしてメシを持ってきたり、掃除したりしてるじゃん」

「はいはい」

まるで、学校の休み時間みたい。私は、終始ニコニコしながら話を聞いていた。






つづく




★★★★★


おはようございます

昨日は午後から頭痛が酷くて、午後はあまり更新できませんでした。

今朝もまだ痛くてお薬飲んで寝ています。

早くおさまれ、頭痛。


さて、新しい登場人物マーサです。

優しくて明るい声で、脳内再生してください。

よろしくお願いします。



ともえ