実に荒唐無稽で全く含蓄が無いまんが(褒めてます) | あろひろし観察記

あろひろし観察記

嫁から見た漫画家・あろひろしの観察記です。


わたしがあろさんのまんがを最初に読んだのは、どの作品だったか覚えていません。
「とっても少年探検隊」の「好きゃな〜ず」はゼッタイ雑誌掲載時に読んだ記憶がありますが、その前のアリゲーターシリーズも文庫本を持っているので、読んでいたと思います。
なので、あろまんがとのファーストコンタクトが何の作品だったのかは覚えてません。

「とっても少年探検隊」は2巻もあります。
「好きゃな〜ず」は1巻収録です。
こちら、集英社漫画文庫版が、あろひろしの初の本です。
単行本サイズ(新書版サイズ)ではなくて、文庫本サイズというのが、時代を感じますね。

その後、「ぶぎ♡うぎアリゲーター」は装丁を変えて、再度出版していただきました。

というように、わたしはまあまあ古い時代から、あろひろし読者だったと言えると思います。
あろさんのデビュー作を覚えてるかというと、自信がないんですけど、もしかしたら読んでたかもなあ、くらいにはあやふやです。
なぜなら、あろさんがデビューしたとき、わたしまだ人生ヒトケタなんです。やっとランドセルの重さに慣れてきたくらいの時期です。
さすがに、そこまでの記憶力は自信がありません……。

単行本化された作品は、(結婚前に)だいたい読んでいました。
この作品は知らなかった!というのは、たぶん片手におさまると思います。
そのわたしが、あろ作品の中で、最も荒唐無稽で全く含蓄が無い、ただ勢いとハッタリだけで、よくぞ描けたものだと感心するのは、間違いなく「優&魅衣」外伝「道尾幸司物語」です。

「道尾幸司物語」は単行本8巻に収録されてます。

そもそも道尾幸司は、サブキャラクターのメインでもないし、本当に、ただの通りすがりと言ったらなんだけど、基本的に本編には全く関係無い位置付けのモブキャラクターです。
「優&魅衣」のサブキャラクターのメインで、まあ、池内朱人芽丸とか魔院美影、相夢由和あたりの位置付けの外伝なら、まだわかります。
道尾幸司は、本気で本編には全然関係無いキャラクターです。
それでいて、ここまで荒唐無稽で全く含蓄が無い外伝を(2作品も)描くとは、なかなか考えられないと思います。
わたしはこれまでの人生において、割とまんがに重きを置いてきた人間だとは思いますが、それでも、ここまで荒唐無稽で全く含蓄が無いまんがは他に読んだ覚えがありません。
他の漫画家さんで、ここまで荒唐無稽で全く含蓄が無いぶっ飛んだ作品を描いた方っていらっしゃるかなあ……わたしの知る限りでは、存じ上げません。
読んでるときはおもしろいんですよ、笑えるんです。いちいち小ネタが効いています。
でも、読後感として、何かを得られるかというと、全くそれが無いんです。
だから、ストーリーについても説明できません。
「読んでください」としか言えません。
……と、考えると、実はあろさんは天才なのかと思ってしまいます。
天才なら、もう少し製作速度を上げてほしいものですが。切実に。

というわけで、もし「道尾幸司物語」をご存知ない方、どれだけ馬鹿馬鹿しくて、全然人生の道標にもならない、全く無駄におもしろいだけのまんががあるというのを確認するために、ご一読いただけますと幸いです。

ホンットーに、全く含蓄無いから!ただ勢いだけのまんがだから!
もし「ここは自分には、ためになった」という部分がありましたら、教えてください。
わたしが反省します。