「出張編集部」の件について雑感 | あろひろし観察記

あろひろし観察記

嫁から見た漫画家・あろひろしの観察記です。


0:33 2022/10/22

(あ・な話) 出張編集部が話題なんですか?
なら、小話をば。
まだ平成の時代、あろさんも出張編集部に持ち込んだことがありましたが、「絵が古い」「ウチには合わない」とけちょんけちょんに断られておりました。
スペースを空席にするわけにはいかないので、あろさんひとりで持ち込んでました。

たらればではあるんですけど、わたしがあろさんに付き添って交渉してたら、あそこまでけちょんけちょんな評価はさせなかったと思います。←自画自賛爆発ボンバー。
「とりあえず一作掲載させてくれ、表紙に"あろひろし"と出してくれ、それで部数やアンケートが悪ければ諦める。ただし→」

「基準クリアしたら、連載枠をくれ。"雲界"や"ハンターキャッツ"の続きは絶対に数字を取れる。それはwin-winになるはずだ、いや、させてみせる」と断言してただろうなあ、などと(笑)。
絵が古かろうが、あろひろしの固定読者は絶対についてきてくれる、とかましただろーなあと思います。

あろさんはまんがを描くことしか出来ないので、そういうハッタリをぶちかます交渉はわたしがしてたら違ってたのかなあ、などと思います。
だってわたしは信じてるもん。
ウチの64歳児は天才だから、古参読者はもちろん、新規読者も絶対獲得できるもん。
ウチの64歳児は本物の天才だから‼️

(補足) とはいえ、わたしがハッタリぶちかますのも躊躇わないと断言できるのは、一重にCF「島喰い」があれだけの達成率を叩き出したという理由が大きいです。
ご支援者の方にはとても感謝しております。
あろさんも「まだ自分は描ける」と自信を持ちました。
本当にありがとうございました‼️

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これは、ウチが漫画家夫なので、漫画業界に限定したお話とします。

すんごい身も蓋も無いこと言うんですけど、偏見だとも思ってるんですけど、漫画家さんで交渉力がある人って、そんなにいないと思うんです。
しかも、持ち込みするってことは、自分の作品をセルフプレゼンテーションするということで、もちろんおもしろいと思って描いてはいると思いますが、編集さん相手に、自分で自分の描いたものを手放しで滅茶苦茶褒めまくって、掲載してください、絶対損はさせません!と言える心臓に剛毛が生えてる人も、そうそういないと思います。

となると、どうしたら解決できるのか。
これは我が家がやってることですけど、漫画家には、プロデュースとかマネジメントとかしてくれる相方が必要なんじゃないかなと思います。
できれば、その漫画家と長い、または深い付き合いで、作品を手放しで褒めてくれる相方。
アカンところははっきりばっさりアカンと指摘してくれる相方。
出来上がった作品を売り込むときには、絶対の自信を持って交渉できる相方。
その漫画家の個性や特性を理解していて、ここは他の誰にも負けないと主張できる相方。
漫画家と絶対の信頼関係を築けている相方が必要なんじゃないかなー、と思いました。

漫画家やってる人で、編集さんとの交渉やスケジュール管理、確定申告とか、雑多な事務作業が得意な人も多く無いと思うんですよね。
とりあえず、あろさんは事務関係は壊滅的に処理能力が無いので、n=1なんですけども。
漫画家は漫画を描く、相方は売り込み方や事務作業を担う、のバランスが取れている状態が一番うまく回るんじゃないかと思います。
相方がいれば、漫画家にいくようなクレームも相方が引き受けることも出来ますしね。
ぶっちゃけ、「島喰い」でいえば、リターン時期が滅茶苦茶ずれ込んだのは、ほぼ完全にあろさんの見込み違いですけど、わたしの事情もあったのでと嘘でも言えば、「なんだよ、あろ嫁のせいなのかよ」と読者に思ってもらえるじゃないですか。
わたしは、あろさんが自分で満足のいくクオリティの漫画を描いて、読者の方に喜んでもらえるなら、そんなプチクレームなんか(少ししか)気にしませんし。

ただまあ、相方やってる立場のわたしとしては、漫画家が漫画を描かないのは怒りますけども。
出張編集部に行くのに、ネームも作らず、キャラクター設定も作らず、万全の用意をしないで、「駄目だったー」なんて言うなら、そりゃ怒ります。

漫画家が心折れるような対応をされたときでも、しっかりと支えになる相方がいれば、交渉もスムーズに出来るんじゃないのかなあ、と浅慮ではありますが考えています。

ま、「その相方を見つけるのがまずハードル高いんじゃあああ!」と言われたら、返す言葉はございません……。

そういうわけで、あろさんはわたしという相方を得ることができて、非常にラッキーでしたね!(笑)←結局自画自賛爆発ボンバーでしめる。