災害から学ぶこと | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

台風21号は北上し、週明けは台風一過、空が青い。さすがの強風で近所の街路樹が倒れ、公園の老木が根っこから倒れている。南部地域の被害は大きく、大和川は氾濫し、いくつかの駅が浸水、南海本線の線路が陥没したとも聞いた。京阪神を直撃した台風は久しぶりで、週明けの交通機関の乱れはすさまじい。関西は災害耐性が低い?

 

さて、台風が来るといつも思い出す。
2004年10月20日頃に近畿地方を襲った23号。兵庫県の公務員OBたちが芦原温泉旅行の帰り、バスが大雨で冠水し、一晩バスの屋根上で救助を待ち、全員無事に救出された、という話だ。

 

由良川が氾濫し、みるみるまに国道に水が流れ出し、トラック、バスなど車が立ち往生、そのまま浸水していった、というアクション映画さながら。


バスに乗り合わせた25名の平均年齢は67歳、80歳を超える人もいたという。バスの中で救助を待っていたものの、浸水は確実に来ると判断、窓ガラスをハンマーで割って屋上に一人ずつ引き上げていった。その間2時間。雨にぬれ、外気で体感気温は下がる一方、眠くもなる。なので、皆で自己紹介したり、抱き合い、さすりあい、声を掛けあい、上を向いて歩こう、などの歌を歌ってしのいだらしい。バスのカーテンでロープを作り、流されないよう、皆で支えあったとも。


携帯は次々電池切れ、真っ暗で、どれほど心細かっただろう。それでも遠くの家からかざしてくれている懐中電灯が心の支えになったのだと。
だれもパニックにならず、ひたすらお互いを信じ、励まし合った。
朝が明け、救助のヘリで全員が救助されてめでたし、めでたし。

 

ニュースで取材に応じている人、合羽をかぶっていたからその時はわからなかったが、親戚のおじさんだったと後で判明。数週間前、法事でお酒を飲みかわしていた人だ。

 

そのおじさん、タダのおじさんだったが、その事件ですっかりヒーロー、有名人に。全国のリスクマネージメントの講演会に引っ張りだこになったというから面白い。


どんな災害が起こっても、何が起こるかわからない、人を信じ、あきらめない、焦らない、逃げないことが大切だと教わった。