松原先生、文化勲章受賞おめでとうございます | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

今年の文化勲章が発表された。科学技術や芸術などの文化の発展や向上にめざましい功績のある者に授与される日本の勲章であり、11日3日文化の日、皇居で、天皇から直接授与されるという、日本人としての最高の栄誉だ。昭和12年から始まっており、歴代多くの偉大な人たちが受賞されている。
今年の受賞者の一人として、分子生物学の松原謙一先生が選ばれた。


松原謙一先生は、東京大学卒業後、金沢大学、九州大学、ハーバード大学、スタンフォード大学、九州大学、大阪大学、同大細胞工学センター長、奈良先端科学技術大学院大学など、晴れやかな経歴がおありだ。その間、遺伝子組み換え技術によるB型肝炎ワクチンの開発や、ヒトゲノム解読などに貢献されてきた。その後、DNAチップ研究所を設立、また「未病社会の診断技術研究会」の副会長を務める傍ら、現在も病気の可能性を見つける研究を続けておられるすごい方だ。

 

JT生命誌研究館のサイトに先生が紹介されている。「私の偶然と必然」というタイトルで、お人柄が伝わってくる。
http://brh.co.jp/s_library/interview/26/

 

この中に、いつも穏やかで優雅という定評だが、「テニスに本当の性格が出る」と本人の弁。実は私は松原先生とよくテニスをしていた。

 

大阪の万博公園にテニススクラブがあり、30~40歳代、かなり熱心にテニスをしていた。そこで松原先生とお会いした。白いテニスウェア、肩にラケットをひっかけ、いつも自転車でふらっとコートに登場。肌が白く、いつもとても優しく穏やかな物腰と口調、皆が、「先生」と呼んでいたので、医者?高校の先生?などと思いながら、「石岡さん、行きますよ」と、よく試合で組ませていただいた。

 

コートの外では優しくても、試合が始まると表情は真剣、ポカをしようものなら目で怒られる、うまくいくとハイタッチ。先生と組むと力一杯走り回るから、対戦相手が強くても、結果的に勝つこともあり、そんな時の先生はご満悦だ。


ある時私のボールがベンチに座っている先生の頭に当たったことがある。その時、製薬メーカに勤務している友人が、「日本の頭脳に何すんねん!」って私を叱った。
いかに偉い人か、その時に知った。

 

先生とテニスのペアを組むと手が抜けない。それでも、気さくに声を掛けて下さって、へたくそな私を励まして下さる。若い研究者をうまく励まし、研究を引っ張る先生は想像できる。だから素晴らしい研究が生まれ、今回の評価につながったのだ。

 

文化勲章受章、本当におめでとうございます。