シンガポールで学んだこと | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

先週シンガポールに行く機会があった。25年ぶりで、その時はプライベートの旅行だったし、あまり印象がなく、空港がやたらと広く、マーライオンが小さかった、という程度のものだった。


久しぶりに訪れたシンガポールの成長には度肝を抜かれた。物価も高いとは聞いていたが、プライベートのコンドミニアムは広くもないのに2億円、ベンツやベントレーのタクシーが普通に走っていて、トヨタの車が一番安くて500万ほど、と聞くと驚いてしまう。

 

この国はもともとオランダの植民地で、その後、英国、世界大戦下では日本軍が占領し、随分ひどい扱いしたことがある。戦後急速な発展と遂げ、現在は、貿易、交通及び金融の中心地の一つであり、世界第4位の金融センター、外国為替市場、その上世界の港湾取扱貨物量では世界有数の国に。


人口560万人しかいないのに、教育、医療、経済競争力において世界のトップクラス。ある大学のランキングを見ると、MITが世界1位、東京大学が54位、シンガポール大学は世界12位、もちろんアジアでトップだ。国民所得も、ある調査では、日本は22位、シンガポールが10位だった。


何がこれほど国を強くしているのか。

 

シンガポール人と結婚して、30年ほど前からこの地で仕事をしている友人に久しぶりに再会したが、住込みのメイドさんがいて本当にありがたい、と。メイドさんというと、大使館や企業の役員クラスとの人の特権かと思っていたが、この国では普通にメイドさんが住み込み、家事、育児などを担ってくれるのだとiいう。メイド税もあるが、働く女性たちにはメイドさんの費用の控除もあると聞いた。彼女は世界中を仕事で飛び回り、二人の子育ても楽しんでいる。メイドさんを親代わりに嫁がせることもあるのだと。まさに家族、彼女たち無しでは生活が成り立たないと。彼女の家にはフィリピン人のメイドさんと、中華系のお父さん、そして日本人のお母さん、その子供達、というまさに多民族家族だ。多様性を子供のうちから学んでいる。

 

教育も素晴らしい。公用語はマレー語、中国語など4つあるが、教育はすべて英語、親の言葉、たとえば、日本語も母語として大切にすることができるのだという。彼女の子供たちのお父さんは中華系なので、3か国語を理解する。子供たちの英語の発音もとてもきれいだ。

 

タバコのポイ捨て、交通違反はもちろんのこと、水洗トイレの流し忘れや、紙屑を捨てても罰金等がある。あちこちに罰金の金額が張ってある。でもだからこそ町の掃除に費用がかからないし、駐車違反もないから移動がスムース。

 

男子には兵役がある。国防に2割以上の予算を割いている。いつ攻められても戦う準備ができているということなのだろう。

 

どこの国にも光と影がある。それでも、資源を持たない小さな国が、世界の強国でいられるための多くの戦略がある、と感じる。

ASCAも小さな会社だ。会社が強くなるための戦略の重要性を改めて痛感した今回の旅だった。