本物よりも偽物のニュースの方が早く伝わる | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

サイエンス誌3月8日号に興味深い記事が紹介された。ツイッター上では、偽情報のほうが真実よりも速く遠くまで伝わる、と言う内容だ。タイトルは、The spread of true and false news online(オンラインでの真実と虚偽のニュース拡散)。


本当の話と偽の話がtwitter上でどのように広がるかを分析した結果、偽ニュースのほうが本当のニュースよりもかなり速く、はるかに多くの人に広がることが報告された。ソーシャルメディアによって情報の拡散は急激に進んだが、どのように偽情報が広がっていくかわかっていなかった。今回MITの研究グループが、真偽を検証済みのニュースについて、2006~2017年の間にtwitterで拡散した様子を分析した。


これらのニュースの真偽を、6つの独立したチェック団体がその分類に同意したかどうかを検証しながら判断したという。全分野の情報で、偽情報のほうが真実よりもはるかに遠く、速く、深く、広く拡散した、と。虚偽のニュースは真実よりもリツイートされる割合が70%高く、真実のニュースが1000人以上に拡散されることはめったにないのに対して、上位1%の偽ニュースは1000~10万人に拡散していた。政治ニュースが最も伝播力が強く、その他の偽ニュースの3倍の速さで広がっていた。「目新しい」とみなした情報がリツイートされやすいことが判明した。
偽ニュースは恐れ・嫌悪感・驚きを引き起こし、本当の話は期待・悲しみ・喜び・信用を引き起こす。著者らがあるアルゴリズムを用いて分析した結果、偽ニュースの伝播の責任は、ロボットではなく人間だったと示唆されたという。


何を信じていいかわからない時代になった。
私はNHKと日経新聞は正しい、と思って日々情報を入手してきたが。
これからはロボットが拡散する情報を整理していくのだろう。
結局は自分の知見を信じるしかない?それはそれで難しいのだが。


オリジナルの記事は、
http://science.sciencemag.org/content/359/6380/1146
今週のScienceには他にも興味深い記事がたくさん報告されている。是非以下からチェックしてほしい。
http://www.sciencemag.jp/science