ASCA Bulletin 19号が発行された。表紙は桜、特集は、WHOで指揮を執る「進藤奈邦子」先生の記事だ。タイトルは「アウトブレイクの現場から:ミッションを遂げるための情熱と覚悟」、インフルエンザのパンデミック対策やワクチン接種についてなど、国内外での感染症対策の現状についてお話を伺った。
途上国で感染対策に取り組むことも多く、いかに速く、適切に対応することが求められる。そのポイントは、上からではなく、現場に寄り添い、お手伝いしたい、というスタンスで接するのだという。観光収入減にもつながるためにWHOが招かざる客にならないように心がける、などいうまさに心配りのプロだ。
残念ながら副作用が全くないワクチンはない。そもそも日本はワクチン接種で国民の健康を守ってきたし、止めるという選択肢はあり得ない。副作用を責めるのではなく、保障制度を整備するなど、社会で守るシステムを構築することが重要だとも。
ASCA取材チームは全員女性、取材しながらオフレコ話が花咲いた。病院勤務中、第一子妊娠を隠していたが、7カ月でばれてしない、病院を首になった、とか、医師には失業保険が適応されず、職安の担当官に食い下がった話を主人に話したら「恥ずかしいことはするな」と怒られた、など、大いに皆で盛り上がった。子育てのために、住込みのベビーシッター、お母さん同士の助け合い、インターンなど、使える手は何でも使ってきたと。日本よりスイスがいいらしい。女性が仕事をし、妻になり、母でいることは大変、それをあえて楽しんでしまう力がまぶしい。
進藤奈邦子先生はNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」“鳥インフルエンザを封じ込めろ”に登場され、それを視て鳥肌が立った。女性、医師、二児の母、美人、WHO、偉ぶらない、威圧感がない、などあらゆる点ですごすぎる。
http://www.nhk.or.jp/professional/2006/0228/index.html
Bulletin19号には他にも興味深い内容が満載。
機械翻訳パート2
MT宣言
メディカルライティング~忘れてはいけない倫理規定~
Scienceから論文紹介
ぜひ手に取ってほしい。
問い合わせは営業「吉川」まで。