下絵と仕上がり | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

みなさんが小学校で水彩画を描くときは、えんぴつで下描きをして、間違えると消しゴムで消して、それから絵具を塗っていると思います。


色えんぴつの場合は、えんぴつで下描きをすると、えんぴつの黒鉛が、色えんぴつの色に混ざってしまいます。

なので、どうやって下描きをするかが、課題になってきます。


また、消しゴムを使うと紙が毛羽立つなどの劣化があるので、できれば消しゴムもなるべく使いたくありません。

そこで、まず下描きをし、別の紙を当て、上からなぞって本番の下絵を描く、という方法を取るのがベストです。


下からライトアップする、投写台があると大変便利ですが、貧しい私は窓に紙を押し当てて、陽光に透かせています。

この方法は、手が疲れるのが難点です。

また、窓ガラスを常時、きれいに掃除しておかなくてはなりません。

さらに、日が暮れてしまうと作業できません。

不遇な下絵時代と言えましょう。

さて、一番簡単な下絵を描く方法は、鉛筆でうす~く下描きをして、上からペンでなぞり、消しゴムでえんぴつ跡を消すことです。

私は滲みの少ない製図用ペン0.05ミリ~0.2ミリを使用しています。

下描き7

この方法は、輪郭線がくっきりと出ます。

色えんぴつの淡い色彩を活かそうとする場合には、不向きです。


色えんぴつの淡い色彩を活かすには、色えんぴつで下描きをするといいです。

トマト本体の部分は赤で、へたは緑で下描きをするのです。

色えんぴつは消しゴムで消えないので、最初に鉛筆で下絵を描き、窓に押し当てて色えんぴつでなぞります。

下描き5

しかし風景など、多くの色を細かく使う場合には、困難ですね。


ある色えんぴつ画家さんは、まずえんぴつで下絵を描き、その上からトレーシングペーパーでなぞり、反転してまたトレーシングペーパーでなぞり、本番の紙の上にそれを反転して(元に戻して)、上からなぞると、えんぴつの黒鉛がうっすらつく、という方法を用いていらっしゃるそうです。

下描き6

下描き4

たしかにきれいな線が描けます。
でもめんどくさがり屋さんには向きません。


めんどくさがり屋の私は、それならカーボン紙に描けばいいんじゃない? と思いました。

手に付かないカーボン紙、というのが100円ショップで売っています。

下描き2

さて、それぞれの下絵の特徴を活かして、彩色してみましょう。


ペンで下描きし、輪郭のはっきりした絵には、くっきりと色を塗りました。

トマトのつややかな様子がよく出ていると思います。

彩色1


色えんぴつで下描きした絵は、丹念に色をほどこし、やさしい風合に仕上げました。

彩色2

トレーシングペーパーを使った絵には、色えんぴつのタッチを活かし、透明感のある絵にしました。

彩色3

カーボン紙で下描きをした絵は、カーボンの濃い色に負けない強いタッチで、グラフィック性の強い絵に仕上げました。

彩色4

これはあくまでも私のイメージなので、みなさんもいろいろ工夫してみてくださいね。