ファン・インスク「野良猫姫」読了 | ハングルだらだら 韓国語勉強日記

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韓国についてのことを記しておくブログ。

みなさんこんにちは。のりまきです。

クオンという出版社が、韓国の現代小説を日本語に翻訳して出版している
「韓国の新しい文学」シリーズ。
以前ブログで紹介した「設計者」もそのシリーズのうちの本ですが
そのシリーズで最新のものが今回読んだこの「野良猫姫」です。


ファン・インスク(黄仁淑)
クオン
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この本はクラウドファンディングで出資者を募って出版されたという
ちょっと珍しい出自の(?)本です。
出版界に明るくないのでその辺りはわからないのですが
本のあとがきにあえてそう紹介されるくらいなので
きっとかなり珍しいことなのではと思います。

コンビニで働きながら、野良猫の世話をして暮らす主人公ファヨルは
父も母も姿をくらませてしまい、おじやおばの気配りを受けながら一人で生活しています。
インターネットコミュニティ「笑う猫のお隣さん」で出会った人たちとの交流、
野良猫たちをうっとおしがる人かわいがる人、猫を通して広がる人の輪・・・
ほんとにいろんな人、いろんな猫が作中に出てきます。
覚えるのがちょっと大変なほど。一人ひとり、一匹一匹は掘り下げたらスピンオフを書けそうなほど個性豊かです。
ファヨルは自分の夢と現実の間で揺れ動き悩みます。自分のしたいことか、大学進学か・・
何を大切にして生きていくか?考えさせられる話です。
心がじいんんとして、暖かくて切なくて、楽しくて悲しくて、苦しくて楽しくて。

読み終わったあと、寂しさに襲われました。
本は終わりがあるけど、ファヨルたちの生活はまだまだ続くんだよな、
その様子を知ることが出来ないのは残念だな、と。。
NHKの連ドラ「あまちゃん」というのがありましたが、放送終了後「あまロス」といって
深い喪失感を覚える人が多かったようですが
いまは完全に「ファヨロス」状態です。笑
ちょっと変な言葉ですね。苦笑。
どちらかというと、ベティロスかな?(ベティは作中に出てくるにゃんこの名前)
ベティロスっていうのもなんか違う気がしますが。

作品の中の猫に関する描写はそれは可愛く、気まぐれさ、臆病なところなど丁寧で
猫を飼いたいなぁと思わせるほど。
もちろん、猫を飼わなくとも野良猫でもいいから人懐こい猫に出会いたい、という気持ちに駆られます。
うちの近所の野良猫たち、みんな臆病で近づくと逃げちゃうんです。。。





ああああああ~~~にゃんこ~~~~~!!
家で飼ってる犬は猫が大嫌いで、よく野良猫に飛びかかってます。
その様子を見るとウチでは飼えそうにないんですよね・・・




ということで。この野良猫姫。
もう一度、読み返したくなる本です。
そして、韓国語の原書を読んでみたくもなりました。
手に入れたい!