おさな子は健気だ
生きるために、親に気に入られようと必死だ
可愛らしい絵を描いては
『いつもだいすき』と手紙を書いては
おしりを振って見せては
『おかあさんのごはんおいしいね』と言ってみては
ほっぺたにキスしてきては
書ききれないほど、色んなことをしてみせては
わたしの笑顔を、心待ちにする
わかっているから、大げさなくらいの笑顔を浮かべ
上手だね、とか
可愛いね、とか
おりこうさんだね、などと褒めて頭を撫でてやる
母性本能が子を生かすための機能なら
こうした子供の行動もまた、生きるためには親に頼らざるを得ない間の処世術なのだろう
我が子のこうした姿を見て、こんなに一生懸命にならずともじゅうぶん愛して大切にするのに…と胸がチクリとするのは、わたしだけなのだろうか