言うことをきかない・言ってもきかない理由は? 人は「命令」を拒絶する | 永遠のホリデー(^O^)/

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      2015/04/21

伝わる言葉・伝わらない言葉


何度言っても言うことを聞かない・・・
ダメといってるのにやる・・・
やれといってもやらない・・・

子育てや仕事関係において、相手が思い通りにならなくてイライラするケースはよくありますね。
何故上手くいかないのだと思いますか?
質問して返ってくるのは、大抵以下のような答えです。
「理由なんか知らないよ!!こっちはちゃんと言ってるのに!!単に相手がバカなんだ!!」
・・・はたして本当にそうなのでしょうか?

人は《命令》に対して無意識に拒否感をもつ

命令とは強制。
相手の意思や希望に関係なく、一方的な要求を押し付けることです。

人は基本的に命令されることを嫌います。
たとえ飲食店で注文通りの料理が運ばれてきても
「どうぞお召し上がりください」ではなく「さっさと食え!」と言われたら誰でも食べる気を無くしますよね。

命令とは相手を支配・コントロールしようとする姿勢なので
《一人の人間として扱われていない》と感じた相手はムッとして反発します。

命令の形は《しろ/するな》だけではない


A 禁止「● ● するな」
B 強制「● ●しろ」
C 評価「● ●して偉いね」

この3つはすべてパターン違いの《命令》です。
Aが禁止、Bが強制、そしてCは評価の形でコントロールしているのが特徴になります。

褒めるは「~しろ、~するな」という直接的な命令ではありませんが
ワンクッション置いているだけで結局は「それと逆のことをするな」と誘導していくもの。
禁止と命令の双方を孕む間接的な命令なのです。

評価は《今後のコントロール》

禁止・強制《今この瞬間のコントロール》に使用されるのに対して
評価《今後のコントロール》に使用されます。

それは遅効性のコンピューターウイルスのようなもので
特定の条件下において、例え命令者が不在でも対象に意図する選択肢を選ばせたり
対象のもつ選択肢を制限する効果があります。

評価(褒める)とは、潜在意識への刷り込みが目的であり
間接的な分、自分が命令されていることに気付きにくいのが特徴です。

解りやすい例はトイレの注意書き

【いつもキレイに使って頂いてありがとう御座います】

これは暗に《汚くするな》をオブラートに包んで言っているだけ。
ダメダメ言っても聞かないので褒めて伸ばしましょう~♪なんて言いますが
誉め殺しとは、評価する(褒める)ことで反対の選択肢を封殺する技なのです。

罰則のないルールに従ってもらえるかは相手の気分・機嫌に委ねられます。
人は好意には好意・攻撃には攻撃を返す習性がありますので
「こんなことするのってサイテーよ!」と頭ごなしの攻撃を突きつけるより
「いつもこうしてくれてありがとう!」と好意を伝える方が、結果として相手を従わせやすいのが事実です。

好意・感謝≠条件付きの評価

本来《ありがとう・好き》は、見返りを要求する言葉ではありませんので一方的なものです。
しかし、好意や感謝を条件付きの評価にすり替えると言葉は2面性を持ちます。

いつもそうしろ⇄ありがとう♪
しなかったら見下してやる⇄偉い!
逆なら嫌いになる⇄好き♥

こんな脅迫まがいの言葉は人を動かしません。
間接的な命令はどれだけ聞こえがよくても威圧感をもつので、相手を緊張させ疲れさせます。

人は誰でも「自分の為」に行動する

・肉体的、精神的快楽
物質的・金銭的報酬
誰だって《自分にとってメリットになる事》は積極的にしますし、反対に苦痛・退屈・損なことは避けます。

命令は本人のメリットあるなしに関わらず、要求を無条件に受け入れろと脅すことですので
要求の強制は《暴力》と感じて心が拒絶してしまいます。

逆らえばもっと面倒なことになると頭では理解しているので、その時は調子を合わせますが
《脅されて仕方なく命令を聞かされた》という被害者意識をもっている為、次回も同じように行動するとは限りません。

反対に信頼関係が崩れ「お前なんかキライ…お前の好む行動なんかしてやるものか…」と反発・反抗心を募らせるので
何度言っても言うことをきかない/思い通りにならない事態を招いてしまいます。

「お願い」と「提案」は人を動かす


親であれ上司であれ、本来他人に命令は出来ないのです。
怒鳴ったり叩いたりして無理やり命令を聞かせれば、支配欲・優越感を満たせますがそれだけです。
恐怖で自己判断を封じられると相手はロボット化してしまい
《言われたこと以外してはならない=言われた時に言われたことしか出来ない人間》になってしまいます。

スムーズに要求を聞いてもらうには「お願い」「提案」しかありません。
人は誰でも頼られれば嬉しいもの。それが好意をもつ相手なら尚更です。
常日頃くだけたコミュニケーションをとって、ゲラゲラ笑いあえる関係性を築いておけば、余程の無理難題でもない限り、お願いはきいて貰えます。
その際はお願いを聞いて貰えてどれほど嬉しいか、想いをしっかり伝えることがポイントになります。

また、こちらの要求をきくことが相手にとってもメリットになるという「提案」は最も効率がよい方法です。
会社ではプレゼンテーション、身近な例ではセールストークが提案の代表格ですが
自分の為と思えば人は自分から積極的に動きますので
「何故、それをすべきなのか?」相手が理解出来るように、上手に説明することがポイントになります。

命令したがるのは命令されている人

「親の言うことは、黙って聞くべき!」
「上司が部下にお願いなんてトンでもない!」

お願いや提案と聞いて、反射的にこのような拒絶反応が出たら
自分が既に他者からの命令に束縛されている可能性があります。

本当はやりたくない。でも、やらざるをえない・・・
人は比較の生き物なので、自身の苦痛は他人にも強制しなくては気が済みません。
・自分が苦しんでいるのだから、みんなも自分と同じように苦しむべき
・みんなが苦しんでいるのだから、自分も苦しまなくてはならない
このような全体思考に取り憑かれると、常に自他の言動・行動をジャッジして批判・命令をしたくなります。
命令をしたがる心理とは、自分が命令された苦痛を解消しようとする《逆恨み・八つ当たり》が本体なのです。

見透かしている


命令される側は、自分がサンドバッグにされていることを肌で感じています。
内容ではなく、行動原理が逆恨み・八つ当たりだと見抜いているのです。
無理強いされた行為に対して、人が積極的になる訳はありません。

心で求めていないなら、求められるように楽しませてみる
頭で納得できないなら、納得できるように説明してみる

アプローチの仕方は100万通り以上あります。許可と禁止だけが方法ではないのです。

もし、どれだけお願いしても、提案しても・・・相手の満足も納得も得られない場合は?
そもそも求めること自体が、求める内容自体が間違っているのではないか
自分の要求自体に問題がないがないか、根本的に振り返ってみる必要があります。

いかがでしたでしょうか?

何度言っても言うことを聞かない・・・
ダメといってるのにやる・・・
やれといってもやらない・・・

言葉が伝わらない理由。
その根本原因は思い通りにならない他者ではなく
《他者を思い通りに支配・コントロールしなくては気が済まない命令者自身》にあるとは思いませんか?