『空気を読め』『空気を読まない(KY)』
10年前はなかったけれど、今は当たり前に使われている言葉。
言葉は時代を象徴します。
な~んで『読む』なんだろうね?
空気は気体ですよ(当たり前ですよ)
吸ったり吐いたり、嗅ぐものは嗅覚の範囲。
もしくは冷たかったり暑かったり、温度を感じる触覚の範囲。
わざわざ、視覚の言葉が使われている意味について考えたり( ´ω`)
『雰囲気』という意味で『空気感』『温度差』という形容があります。
雰囲気は、通常『~の雰囲気を感じる』と表現されるけど、人々の表情や声色、光景、状況など、その雰囲気を感じるまでの過程には視覚的な要素が多いのですね。
そこが転じて『雰囲気を見て判断する』『温度差に対応する』ことが
『空気』を『読む』という言葉に変化したんでしょう。
(なんせ短くて口にしやすいし)
雰囲気を見て、温度差に触れて、嗅ぎ分け、聞き分け、声に出す。
五感をフル動員させて、相手の(その場)の要望を理解して反応を返す。
それが空気を読むということ。
一般的に、空気を読むのは良い態度・心がけとされています。
(マナー・モラル・TPO・礼儀・常識だのって言葉が添えられますね)
そりゃ、読まれる側にとってはどこまでも都合が良いからね~(笑)
相手を支配したい、押さえつけたい、コントロールしたいほど
『空気を読む』ことを推奨するでしょう。
でも、空気を読むって・・・本当に言われるほど素敵なことでしょうかね?
呼吸できないカラダの不調
ここで話しは変わりますが、『過呼吸』という症状があります。
(有名なので説明するまでもないと思いますが)
要は過度の緊張や不安などが原因となって、焦燥感から呼吸が浅くなり
息をゆっくり吐けなくなり、パニックとなった状態ですね。
本来『息を吐くように嘘を吐く』という言葉があるくらい
呼吸というのは、意識しなくても当たり前に出来る自然な行為です。
それが、まるで空気に溺れるように息が吐けなくなるのは何故だと思いますか?
精神的な過呼吸=鬱
『吐く(はく)』という行為は空気だけではなく
先述のように『吐く(つく)』言葉でもあり
『吐露』する想いでもあります。
つまり空気を吐けない状態というのは『本音を出せない状態』とも言えますね。
空気を吸ってばかりいる=空気を読んでばかりいる
肉体の症状として過呼吸になる人は少なくとも、精神的に追い詰められ鬱になる人は大勢います。
『空気を読まなきゃ』
そうしなきゃ、きっと嫌われる。
嫌われた自分を嫌いになる。
自分でいるのが嫌になる。
生きているのが嫌になる。
他人の息を吸いすぎて、自分の息を吐くことを禁じてしまった時
他人の意志を尊重しすぎて、自分の意志を抑圧し過ぎてしまった時
過呼吸・鬱が起きるのではないでしょうか?
先ほども書きましたが、呼吸は『吸って吐いて』でワンセットです。
どちらが偉いとか、良いではありません。
ただ、現代の『空気を読め信仰』はあまりに『吸う』ことばかりに偏っていますので
少し『吐く』方を意識するとバランスが良いと思います。