南半球で風呂桶の排水は時計回りにはならない | Bokensdorfのブログ

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国際結婚から考えた「隠れた構造・隠れた文化」について
加えて「世の中の仕組みは実はこうなっている」について書きます

いまの世の中は
「聞いた話しをそのまま信じ込んだ人の話しが広まるスピードが速い」
ことを実感します。

ネットのコピペ文化の所為でしょう。

自分のアタマで考える事をしないとそうなる。人の話しを鵜呑みにしてはいけません。

南半球では風呂桶の栓を抜くと水は時計回りに渦を巻く、というウソがあります。
なぜか、日本人ばかりその話しをします。

それは日本人には「南半球」というと地図のすぐ下にある「オーストラリア」や「ニュージーランド」がすぐに浮かび、「あそこではそんな事になるんだ・・・」というエキゾシズム(異国情緒)をかき立てるからだと思います。

※アメリカ人は南半球がどこにあるかなんて知りません
※ヨーロッパ人はオーストラリアがどこにあるかなんて知りません(一部の英国人を除く)
※そもそもヨーロッパには台風が無いので大暴れする渦巻きというものに関心が湧きません
※↑偏見が入ってますが私の会った欧米の人はそんなもんです


日本人がする「南半球の風呂桶の排水の話」は、必ず台風の話しから始まります。

そして「コリオリの力(coriolis force)」が説明されます。

北半球ではすべての動くものは右にずれる。
南半球ではすべての動くものは左にずれる。

ここまでは良いですが、それを風呂桶の排水に結びつけるのが間違っている。
風呂桶の排水はコリオリの力の影響が出るより桶の形状の影響の方がはるかに大きい。
※子供でも想像できることです

日本人はなかなかオーストラリアまで行く人はいないので「そうなるらしい」までで、検証がされません。
私はしてみました。ニュージーランドで毎日風呂の排水を眺めたが、渦は一週間七回のうち一度も巻かず、まっすぐに排水しました。
自宅の風呂でもテストできます。
我が家の風呂は、毎日見ても、毎日まっすぐ排水してます。

これは水が動くときにコリオリの力の影響が出るほどスピードも距離も無いからです。
※コリオリの力を正しく理解してればそんなこと当たり前なんだけど。

ネットには「南半球で風呂桶の排水は時計回りになる」情報が溢れてます
右にずれるのがなぜ反時計回りになるのか、説明できていないものもたくさんあります

飛行機は北半球では右に進路がずれる、などと馬鹿な事を書いている人もいる。
(飛行機は地上との摩擦の無いところを自力のエンジンで飛行するのでズレません)
ズレるのは発射したときの慣性で飛行する大陸間弾道ミサイルとか大砲の玉だけ。

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ネットの情報を鵜呑みにしてはいけません。
自分で検証していないものは人に話すものではありません。


※同じように多くの人が間違って使っているのをネットでよく見かけるのが
「守・破・離の出典」・・・正しい出所は「利休百首歌」
「コケティッシュの意味」・・・なぜか日本人はこれを「小さくて愛嬌があって可愛らしい」という意味に使っているが、(語感から《コケシ》をイメージしているのではないかと思う)正しい意味は「妖艶な、艶めかしい、誘惑するような、艶っぽい、色気のたっぷりある」という『大人の女』を意味する言葉なのです。(日本語だと『エロい』が近いと思う)
「さわり」・・・正しい意味は「もっとも良い部分」なのに、『触る』と勘違いするらしくて「ちょっとサワリだけを紹介します」などと言う。


老人の繰り言になるまえに、直って欲しいものです。






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