「アシアナ航空事故、トランク持って逃げた中国人乗客に非難」について思う事 | Bokensdorfのブログ

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国際結婚から考えた「隠れた構造・隠れた文化」について
加えて「世の中の仕組みは実はこうなっている」について書きます

まずは事故に遭われた方にお見舞いとお悔やみを申し上げます。

2013年7月8日、米サンフランシスコの空港で発生したアシアナ航空旅客機炎上事故で、ある乗客がトランクを持って機外に脱出した様子を撮影した写真が物議をかもしたことを中国メディア・中国網が報じた。

そうです。

旅客機からダッシュツする時は、荷物は持たない、靴は脱ぐ、等の規則があります。

今回の事故で荷物を持って脱出した人は、このニュースの人だけではないようです。


某機長(先輩)の発言

『一旦火がついたら、緊急脱出に残された時間は誰も分からない。
人は出口に殺到するから、荷物が進路をふさぐし、
その荷物が脱出スライドを傷つけ、空気が抜けて使用不能になる恐れもある。

かつて福岡空港で離陸に失敗したガルーダ機からは、CAまでもが荷物を持って出た画像が映っていた。
日本の報道は、あまりこのことを大きく報道していない。
持って出てもいいんだ・・・と思われないためにも、強く強調して欲しい』



日本のメディアでは、この事例に限らず中国人の行動を批難するものがたくさんネットで見られますが、このことについて私は思う所がありますので書きます。


旅客機が炎上し始めて、周りに自分の家族がいて財産の入った鞄があったら人情として「すべてを失いたくない」と思うのは緊急事態の中では誰しも思う事と思います。しかし、全員が脱出するためには、出口に荷物を持って来られたらそれは危うい事になる。
そういう理解と認識があってこそ、荷物を捨てるという行動が取れるのです。
【捨てた荷物とはほぼ確実にここでお別れになります】

全員の安全の為にはそうした方が良いに決まっているが
自分の事だけを考えたらそういう行動はできない。
という話しを前に書きましたが(囚人のジレンマについて考える
日本のメディアがこれほど中国人をバッシングするのはよっぽど中国人、加えて言えば「外国人」の行動規範というものを知らないしるしだと、感じるのです。

そもそも、日本人以外の外国人というのは
日本人と同じ行動規範の人は世界中どこにもいない
という私の人生経験からの確信があります。

日本人はよっぽど変わっているのです。

どういうことかというと、
日本人以外の人類は、すべておしなべてほぼ全員が「自分の事しか考えていない」です。

自分中心に世界が廻っている。
何を言うにも「自分は、、、」と始めなければならない。
【私は「言語が思考を支配する説」を標榜しています】

日本は島国です。
大陸というのは、四方八方敵だらけです。何度も侵略されて、流血の歴史です。
「信じられるのは自分の家族だけ」
が基本思考です。

「自分の家族以外はどうなったって良い」と発言している米国の富豪もいます。
※アメリカの連邦銀行は誰が支配しているか、という話題ですが今日は割愛します。


日本人は「日本人はみんなおんなじ家族のようなもの」と考えています。
外国で日本人が災難に遭ったと聞けば、アカの他人なのに同情します。
その中に知っている人はいないか、と心配になります。
「われわれ日本人は・・・」と誰でも言います。

日本人はみんな一括りなのです。
互いに助け合うのが何の疑問も無くできる。

中国人は違います。
あの政府のしている事を見れば想像できますが、国民に一体感がまるでありません。
「中国人」という国民をまとめる事がまったくできていない。
他人は誰一人、信用しない。
そういう基盤ができている。

私には中国人の親しい友達が数人いますが、それ以外の中国人はまず信用していません。
信用、という言葉自体が一方的です。相手がどんなだか分からないのに日本人はすぐ信用する。
そして騙される。

で、中国人の基本的な行動規範は「家族以外はどうでも良い」です。

上海にタクシー乗り場があります。
誰も、そこでじっと待たない。
タクシーの来る方向にぞろぞろ歩いて、タクシー乗り場に来る前のタクシーを捕まえようとするからです。

自分さえ載れれば他人はどうでも良いのです。

私たち家族も、待っててもタクシーは来ないのが明らかですから
子供の手を引いて、同じように上流に歩きました。
するとタクシーが二台続けて来るのが見えました。
ここで私が一台目を止めてしまうと、私たちの後ろに続いて歩いている人たち(中国人)が
さらにもっと上流の二台目のところまで歩かないとならなくなりますから
私は一台目をやり過ごして後ろの家族に譲り、
二台目のタクシーに家族を乗せました。

家内(ドイツ人です)は、乗車してからひどく怒りました。
そのタクシーが一台目より「激しくボロかった」からです。

「あなたは何故こんなタクシーに私たちを乗せたのか」
「一台目はもっとキレイだった」
「この車は事故に遭ったら安全ではない」
「家族の事を一番に考えないのか?」


ガイジンというのは、自分のことしか考えていないんです。
日本人の行動は世界からは異端なんだなぁ。


だから、死ぬかもしれない緊急事態に家族の手を引いてその上戻ってくる事など信用できない(あとで補償される事など信用していない)自分の財産であるカバンを離さずに逃げようとするのは、日本人が思うほどに「特別に異常な自分勝手な行動」ではない。
他人というものをまったく信じないのがベースのガイジンにとっては当然の行動なのです。
自分と家族を他の誰が守ってくれると言うのか?

日本のメディアは中国人を非常に悪い人間たちのようにバッシングしているけれど、それは日本人の基準で計っているからに他ならないのであって、その人間じたいが悪人なのではない。
そう思う訳です。

勝手な人を弁護している訳ではありません。

日本人のモノの見方が非常に異常だということを日本人がもっと気がついて戴きたい、
と思うのです。
それは難しい事です。



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