観覧車が偶然止まった。それだけで見える世界が変わったーーー
◇観覧車は謎を乗せて◇ -Ferris Wheel with Mysteries-
朝永理人
不意に停止した自然公園に立つ観覧車――そのゴンドラ内に閉じ込められた六組の乗客たち。
自分を殺した犯人がいかにしてゴンドラから脱出したか考えてほしいという幽霊、観覧車の最高地点から標的を狙撃してほしいと依頼された殺し屋、爆弾とともにゴンドラに乗せられ、解除コードを当ててみせるよう強制された男……。それぞれの謎が解かれたとき、六つの密室劇が鮮やかに響き合う!
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水禰自然公園には観覧車がある。その観覧車が不意に止まった。地震など危険を察知すると自動的に停止する安全装置が誤作動したのだ。誤作動の場合、数十分で自動解除される。その間にーーー
車田は「観覧車が止まった時にだけ現れる幽霊の女」に謎を解いて欲しいと懇願され、
菜々芽は久しぶりに会った父親の真意を知り、
殺し屋の男は標的と、自分に仕事を依頼した少女の素性を疑い、
観覧車で告白してフラれた小針は糸口との出会いを回想し、
のっぽは同級生の蝋子が高所恐怖症であるにも関わらず観覧車に乗り込んだ本当の理由を知り、
寿久は弟仁弥が仕掛けた爆弾を時間内に解除する羽目に陥ったーーー
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「観覧車は謎を乗せて」です(・∀・)
読むつもりは無かったのですが、父が貸してくれました。父はあまり自分より若い年齢の作家を読まないので色々な意味で珍しいです。軽くさらさら〜と読めるし←
この物語はとある自然公園にある観覧車を舞台に6組の人間たちが謎を解いたり、秘密を知ったり、逆に秘密を露わにされます。どれもこれも観覧車が偶然止まってしまった、という非常事態が無ければ起こりえなかった、というか考えることすらしなかった、というところで希望もあり物寂しさもあり、もしかしたら後味の悪さもあるかも知れない。
そしてもう1つ言うなら本書は6組の人間たちによる連作短編ーーーと見せかけた長編ーーーと見せかけて実は! です。どういう意味やねん、って感じですがほんとにこれしか言えない。実は◯◯が◯◯、をたった一言で表す、そのさりげなさが見落としかねないほどさりげなさ過ぎるのに分かると一瞬で物の見方も変わってしまう。たった一言言えるなら舞台が観覧車なの、納得。
「観覧車は謎を乗せて」でした(・∀・)/
ある日、男は「存在しない男」になったーーー(*^o^*)/