菊田一夫◇菊田一夫戯曲選集3◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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いつの時代も人間は愚かで、不可思議で、皆哀しい。しかしだからこそ人間の高潔さが一層際立つーーー






◇菊田一夫戯曲選集3◇

菊田一夫



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1.非常警戒



2.南風



3.風の口笛



4.ミスター浦島



5.ひめゆりの塔



6.私は騙さない



7.がっこの先生



8.花と野武士



9.浅草瓢箪池



10.明治百年



11.津軽めらしこ



12.時計塔の女



13.銀座裏午前二時



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月組公演

昭和56年(1981年)6月26日〜8月11日

宝塚ロマン

『白鳥の道を超えて』15場

ー菊田一夫作『花と野武士』よりー

阿古健 翻案・演出



菊田一夫作「花と野武士」を原作に、舞台を中世イタリアに移し翻案した作品。カプリ島を根城にするバイキングの首領ロドリーゴには、ロベルト(榛名由梨)とギスカール(大地真央)という二人の息子がいた。ミラノ公の船を襲撃し捕えた美しい若妻レジーナ(五篠愛川)の扱いを巡って対立する二人に、父はギスカールを後継者にと宣言する。海賊で知られるバイキングの若者が、数奇な星の下に生まれながらも雄々しく生きていく姿を、親子兄弟の相剋と愛を絡めて描く。



雪組公演

昭和28年(1953年)7月1日〜7月30日

グランド・レビュー

『ひめゆりの塔』2部26場

菊田一夫 作・演出



映画化された作品の舞台化。ひめゆり部隊の生き残りである浪平恵子(神珠三千代)と、同じく生き残った教師・平川俊秋(明石照子)が、ひめゆり部隊の実態を物語る。バックスクリーンに戦線を映写するなど、リアルスティックな場面も構成され、多くの反響を呼び好評を得た。



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「菊田一夫戯曲選集3」です(・∀・)

目当てだった8を含め、13作。……しかし時間が無さすぎて半分しか読めませんでした。不覚!



菊田一夫(1908〜1973)といえば日本演劇界の雄ですが宝塚歌劇団とも縁が深く、21世紀にも『ジャワの踊り子』『ダル・レークの恋』といった作品が上演されました。こちらの作品は宝塚の為に書かれた為か選集にも載っていないようですが、8の「花と野武士」はなんとか見つけたので読んだ次第。5の「ひめゆりの塔」は思いがけない収穫だったのですがせっかくなので読み、公演情報も載せました。



日本で演劇、といえば江戸時代に興った歌舞伎と明治時代に興った新派でした。しかし時代と世代が変われば今、生きていれる現代人の感覚には合わず廃れてしまいます。故に新派では無い、新しい現代劇の誕生が望まれました。菊田一夫は社会の闇や泥の部分をを鋭く風刺しながらもその中で生きる人間たちの弱さ、哀しさ、強さ、優しさを演出しました。



……とはいえ、21世紀も24年が経った今、菊田一夫作品も私から見ると非常に古いです。なぜなら登場人物の思想に共感できないです。ただでさえ、こんなご時世だし……

しかしだからこそ先言った弱さ、哀しさ、強さ、優しさが際立つんですね。本当に人間というのは不思議な存在ですね……敢えて幸福には背を向けたり、思わぬところで縁が繋がったり、ことが運んだり……



さて、8は宝塚では中世イタリアに舞台を変えています。夢を描いて華やかに!がナンボですからまぁー自然な成り行きです← 本物は戦国時代でどの家にも仕えていない山賊とてんで変わらない野武士一族が主人公。野武士であろうと海賊であろうと本質もしでかしていることも一緒なのに何故か野武士の方が嫌悪感が強いという不思議。多分海賊に日本人が結びつかないからでしょうね、卑怯だなぁ、私も……



演劇だけではないですが大衆の為の作品はいつかは廃れるのが当たり前です。しかし人間である限り、その本質は変わらず、愚かさは愚かさとして永遠に断罪され、幸福は幸福として例え一時だけのものだとしてもその時の喜びは永遠として心に残り続けるでしょう。



「菊田一夫戯曲選集3」でした(・∀・)/ 

観覧車に乗って楽しく!?謎解きしようぜ〜(*^o^*)/