長編お話「その顔に、根の跡」19 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

私は少年だったのだ。

ひとのことは好きだ。だがおんなのこはおぞましくて仕方なかった。

私があんまりおんなのこを嫌うので、小学校の担任の先生が真剣にキレた。
キレられた私は心底オジケヅイタけど、でも彼女達を嫌う思いはどうしようもなかった。

私は基本的にみんなと仲良くしたいと思っていた。
しかし、学校という空間は私が皆と仲良くするためには、特化してこなかったみたいである。

私は男子だった。
自分の行き場に焦っていた。

私は男子には成れなかった、否、私は男子ではなかった、どうしても。

だからこそ私は少年だった。呪いみたいなもんだ。

思い込んだものなら、逃げることが出来ない。

私は少年だった。
周りに溶け込むことは出来やしなかった。