ウインナホルン調整 | ホルン吹き竹内修「Canoro Corno♪」

ホルン吹き竹内修「Canoro Corno♪」

canoroとは「歌うような」「音色の良い」のイタリア語

前に書いたお弟子さんからの借り物ではないですが、縁あってうちに来たウインナホルンのバルブ調整です。ウインナバルブは1つのレバーで2本(空気の流れ的にIN側OUT側がある)の小さなピストンを動かしますので合計6個のピストンがあります。

今回1番問題なのは2番管。1番ズレてると思われる2番管のうち3と書かれたOUT側を手始めに。



良い楽器のようですが何とも当たらない。2番管は9倍音はタレまくり12倍音はツボがなく致命的に使えない。どうもポートが合ってないようなので開けてみました。この楽器は工具なしで開けられます。









こんな感じでピストンを抜きます。

更に各パーツをバラし、

どれもただハマっているだけです。




ウインナバルブは意外と簡単にバラせます。やはりストッパーのフェルト(?)がボロボロでないに等しい。ここを何とか修繕します。ただ位置合わせはどうするのかわからないのでここは洞察力。ロッドに2か所マークがあるのでこれが基準なんでしょう。



このようなマークが。で、実はこの2か所マークがあるピストンがこの1本だけなんです。他のピストンのマーク位置はどうも右側の位置っぽいんですが、とりあえず左のマークに合わせてみます。使う材はこれ。


手芸屋さんで売ってました。直径が5mm〜−5mmまで揃ってます。厚さは1mm。このうち10mmのものが合いそうなのでこれを数枚重ねていって厚みを調整します。ロッドを通す穴は打ち抜きポンチを丁寧に回しながらくり抜いてこのように。



元あったストッパーをキレイに外すとこれを6枚重ねるくらいでちょうど良さそうです。

そうして作った状態がこの写真の状態です。




外したフェルトはこんな。

ボロッボロです。

そしてフェルトを交換し組み付けて吹いてみると、確実に音は当たりやすくなり、1、2番を押した状態での音のコモリも緩和されました。ただもう少しかなあ、といった感じなのでフェルトをもう1枚追加してみました。その方が良いかな。結局2つあるマークのうち右側が正しいのかもしれませんが、寸法的にそれだとポートがズレるような気がする。もう一度調整し直しか。とりあえずこのやり方で何とかできそうなのであとはゆっくり考えるとします。今日はあと1番を調整して終了。お弟子さんに借りたウインナで感じたことですが、モダン以上にマウスピースの相性がシビアなのでこの楽器もマウスピースをしっかり選びたいです。


で、さっき写真見て気がついたんですが、このストッパーの位置ですが、もしかしたらちゃんとマークされてる⁇

ロッドのピストン側にもマークらしきものが入ってるんですが、これってここで合わせろってことだった?



この写真は1枚追加する前なので、結局このマークの位置くらいに収まっているんです。なーんだ。

この楽器の詳細はもう少し弄ってマウスピースもセッティング出来てから。またの機会にします。結局使えないかもしれないし。でもウインナバルブの分解ってあまりネットに出てこない(ないわけじゃない)ので書いてみました。