WSPA による野良犬対策マニュアルを、常総野犬対策に!(6) | CAPIN(キャピン)公式活動報告

CAPIN(キャピン)公式活動報告

認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ

 

付録6) 犬の捕獲のコツ
(扱いにくい犬、人に危害を及ぼす犬の扱い方)▲目次へ戻る
犬の捕獲方法
必要に応じて犬を落ち着かせるようにし、自信に満ちた態度をとります。

ゆっくり犬に近づきます。急に動いてはいけません。
犬に話しかけて安心させます。
危険がなさそうなら、手の甲を差し出して臭いをかがせます。
少量の餌を何か与えます。
優しく犬を触るか、なでるかして、自信のある態度を示します。
首輪をしている場合は、頭の後ろの部分に手を掛け、首輪にリードを通します。
首輪を付けていない場合は、スリップリードを頭から通せるかどうかを試します。
輪の部分を十分に大きくとり、犬の耳に引っかからないよう気を付けます。
優しくリードを引き、人の命令を聞くか試します。
餌を仕掛けた檻に入るか試します。
以下のものを使ってみます。
*投げ網 *追い込み網 *柄つき網 *捕獲棒   
発情期の雌犬を使っておびき寄せます。(安全な方法)
最終手段として犬を追いつめて捕獲します。その際、攻撃されて怪我をしないように、捕獲する犬の大きさに見合った保護服を着用するまでは犬に近づいてはいけません。このような場合は、攻撃される危険が大きいと思ってください。できれば一人ではなく、複数の人数で捕獲します。
どうしても捕獲しなくてもよい場合には、犬を逃がしてやります。そのうち捕獲できるときが必ずあります。

犬に攻撃された時の対処方法
犬に攻撃されるような状況におかれた場合には、飼い主がいない場合でも飼い主が犬に攻撃するようにけしかけた場合でも、以下のような対処をすれば防御効果があがるでしょう。

犬と正面から向き合い、犬がどこから攻撃してくるのかを見極めて防御体制をとります。
以下のようなものを手に持っていたら、何でも構わないので、犬が攻撃をしかけてきた場所にあててこれを咬ませます。
*杖 *クリップボード *かばん *傘 *ラジオ
*懐中電灯 *新聞紙 *道具箱 *コートやその他の衣類を腕の周りに巻く。
手ぶらだったり、突然攻撃されて時間的な余裕が無い場合は、犬に自分の片方の腕を攻撃させます。
脚は咬まれないようにします。もし倒れると、顔を咬まれることもあります。
犬が大きくて重い場合、犬が体当たりしてきても倒れないよう身構えます。
犬が咬みついて放れない場合、次のようなことを試します。
*大声でどなりつける *大声で助けを呼ぶ *膝で犬の胸を蹴る *鼻づらをなぐる
犬が咬みついてすぐに逃げた場合は、どのような犬だったかを記憶し、飼い主がそばにいる場合には、飼い主の容姿も記憶します。
どこの家に飼われている犬なのかを確認します。
その場を離れます。
傷の治療を受けます。
以上の対処方法では、犬を傷つけたり殺すことを勧めていません。犬を傷つけたり殺したりすると、その行為が人命救助に関係していたことを証明しなければならず、その結果、訴訟に巻き込まれることもあります。

狂暴な犬や野犬への対処方法
犬に近づいてはいけません。
犬を追い詰めないようにし、犬が逃げられる余地を残しておきます。
急な動きをしてはいけません。
犬が自分のなわばりとみなしている領域から撤退します。
その際、ゆっくりとあとずさりし、背中を見せてはいけません。
犬から目を離しません(目の端に犬を捉えておくようにします)。
決して正面から犬を見据えてはいけません。まっすぐににらむことは、敵対心を示します。
大声で叫んで犬を興奮させてはいけません。
腕を振り回して犬を興奮させてはいけません。
犬の所有物(骨、餌の皿、子犬等)を手に取ってしまった時は、それをその場に置きます。
扉があれば、自分と犬を隔てるように閉めます。
犬のなわばりから出ると、攻撃してくる事はありません。
飼い主が来たら、犬を適切に制御するよう要求します。
犬との対峙方法:いくつかの接近方法
犬の観察
数分の間、犬を観察します。緊急でない場合は腰を下ろします。調査用紙に記入していれば、犬に近寄るために必要な時間がかせげます。優しく親しみをこめて話しかければ、犬もあなたに慣れてきます。要領よく事を運ぼうとしたり、犬を騙したりするよりも良いでしょう。まずは、焦らないことです。

周囲の観察
現場の様子を観察します。犬が驚いたり怯えたらどの方向へ逃げるでしょうか。犬を追い込んで捕獲しやすくできるような建物や庭が近くにあるでしょうか。危ない道路や鉄道、川などが近くにありませんでしたか。 犬に対して適当な位置関係をとれば、臆病な犬ならばたいてい、壁や垣根や塀などに沿って捕獲しやすい場所へ追い込むことができます。

ゆっくり接近する
犬が逃げたり、離れていくようなら、すぐに動きを止めます。食べ物でおびき寄せる事も可能ですが、緊張状態にある犬が見知らぬ場所で餌を食べることはめったにないことを覚えておいて下さい。十分に犬との距離が狭まれば、犬の首にかけるのが簡単なスリップリードで捕獲しますが、軽い素材のリードは頭を通す輪を作りにくくて役に立たないことが多いので、できれば硬い弾力性のある素材のものを使います。

扱いにくい犬
なわばり防衛
犬が決まったねぐらを持っている時にはねぐらを守ろうとします。このような場合には犬をねぐらから追い出して離れた場所へ誘い出せば、攻撃性が低下します。

足首への咬みつき
小型のテリアやコリーの中には、足首や足先に向かってくるものがいます。分厚い毛布のようなもので足を保護して下さい。犬が小さい場合は、犬の上から毛布を被せてそのまま包んで運びます。

とても狂暴な犬
万全の準備を整えてから捕獲の体制に入ります。事前に狂暴な犬だとわかっていれば、補助をしてくれる人を連れて行きます。現場についてから狂暴な犬だとわかった場合は、犬を捕獲するときに防御として使える箒や軽いイスなどを手に持ちます。このように狂暴な犬を捕獲したときにはリードは2本使い、両側から引くようにします。 大きくて狂暴な犬に、口輪をはめようとしてはいけません。

ケガをしている犬
地元の獣医の協力が得られるようなら、獣医に詳細を知らせて対処方法を相談します。相談できる獣医がいなければ、歩けるよう応急処置を施しますが、傷を負っている動物は痛みを感じると咬み付くことを忘れないで下さい。

常に犬の顔を見ながら行ないますが、目を覗き込まないよう気を付けます。犬は当然警戒しているので、いつ噛みついてもおかしくありません。捕獲したら、できるだけ早く車か木箱に入れます。スリップリードのままでは様々な不都合が生じるかもしれないので(例えば窒息、リードの絡まり、犬の上にかがんだときにリードがはずれる)、できれば普通のリードと取り替えます。

犬の持ち上げ方、処置方法
自分自身と犬の双方の安全を考えます。
咬まれないように、まずは口輪を装着します。
犬を置く台が、安定していて安全であることを確認します。
片方の手で首輪を持って動けないようにし、もう片方の腕で抱きかかえます。犬の腹部には手や腕を回しません。傷の程度がひどくなることが多いからです。
持ち上げる準備
台の上に乗せたら、動けないようにします。
犬に話しかけて落ち着かせます。
検査と投薬のための犬の拘束方法
以下の5つの方法があります。

1. 台の上にのせた犬(方法1)

犬の背側に立ちます。
首輪を耳のすぐ下で両側からつかみます。このとき、つかんだこぶしの手のひらの根元を犬の首に押し付けます。
2.台の上にのせた犬(方法2)

左腕を犬の首にまわします。
右側の肩をしっかりと抑えます。
犬を抱きかかえます。
右手で犬の後ろ足を抑えて座る姿勢をとらすか、後ろ足の後方から腹の下へ右手を回して犬を立たせた状態にします。
3.横向きに寝かせる

犬の脚が向こう側にいくように倒すつもりで持ち上げ、台の上で少し下ろすと同時に横に倒します。
上半身で覆いかぶさるようにし、胸で犬を台に押さえつけます。
2人目の人が、片方の腕を首の上から下側になった前足つかみ、もう片方を腰の上から下側の後ろ足をつかみます。
4.仰向きに寝かせる

3と全く同じですが、もう一人が犬の背中を支えます。
5.静脈注射

左腕を犬の首にまわします。
右側の肩をしっかりと抑えます。
犬を抱きかかえます。
右手で犬の後足を折らせて座る形でとらせるか、後から後足の下へ手を入れて犬を立たせた状態にします。
静脈を確保するために、手のひらと親指で犬の肘にあたる部分をしっかりつかみます。
橈骨(肘と足首の間にある2本の骨の外側)を押さえて、静脈を圧迫します。
他の方法として、ゴム製のチューブで肘の上を縛る方法もあります。チューブの位置がずれないように、ピンセットを使ってもよいでしょう。
小型犬の場合はうなじを抑えないように注意します。このタイプの犬の中にはそこを押えると眼球が突出する危険のある品種もあります。
付録7) ダンディー地区の対策委員会の例▲目次へ戻る
ダンディー地区対策委員会
環境衛生局

City of Dundee District Council
1 Shore Terrace, Dundee, DD1 3DB
Tel:44 382-434000 Fax:44 382-434830
野良犬‐ダンディー地区での避妊手術推奨キャンペーンの効果
ダンディー地区対策委員会が行なった避妊手術推奨キャンペーンが、野良犬問題にどのような効果を及ぼしたかということについてのお問い合わせ(1994年6月7日の手紙)をありがとうございます。

背景
1970年代になると、ダンディー市(人口およそ18万人)の郊外には、他の市と同じように大きな住宅団地ができました。ところが、野良犬が増えてきたとみえ、住民の苦情の多くは、野良犬が引き起こすいろいろな問題に関するものでした。

自治体は、問題を解決するために、環境衛生局に野犬捕獲員を2人配置することを決めました。

野犬捕獲員は1981年6月に配置され、やがて年に2500匹の犬を捕獲するようになりました。

問題
野犬捕獲員が熱心に犬を捕獲したにもかかわらず、状況は1980年代を通じて変わりませんでした。捕獲される野犬の数と、犬の収容施設に持ち込まれる引取り手のない犬の数の合計は、1982年の2600頭から1988年の2400頭へとわずかに減少しただけでした。

頭数は減少したものの、困ったことに、殺処分になる犬の割合は、1982年と同じ33%のままでした。収容施設に連れてこられる犬のうち、450頭は生後6ヶ月以下の仔犬で、この50%は殺処分になりました。

解決
このような状況を踏まえて、対策委員会は以下のことを決定しました。

避妊手術の実施。委員会が収容した犬のうち里親がみつかった雌犬については、すべて委員会が費用を負担して避妊手術を行ないます。
委員会が収容した犬を、その飼い主が引き取りにきた場合は、雌犬なら避妊手術を受けるよう説得します。手術の手配や費用は、委員会が負担します。
野犬捕獲員は、「問題のある」飼い主を含めた市内全域の雌犬の飼い主を把握します。特に、貰い手のない子犬を常時「反復出産」する雌犬に焦点をあてます。そして、委員会が費用を負担する避妊手術の手配をします。実際には、雌犬を獣医に連れて行き、また引き取って飼い主に送り届けるということまでしました。
犬の収容施設では、「犬のため」の現金寄付を常に受け付けました。このような寄付金は、すべて避妊手術「基金」として処理し、それぞれの寄付者に、何に使われたかについての報告が委員会から行くようにすることに決められました。寄付金に対するこのような姿勢をとった結果、寄付金が増加し、避妊手術運動が継続していく原動力になりました。

結果
結果は目を見張るものでした(添付資料参照)。野良犬は激減しました。野良犬が群れをなして住宅街をさまようような事態は過去の出来事になりました。委員会の犬対策担当者(以前の野犬捕獲員)は、啓発的な活動に時間を割けるようになり、責任ある犬の飼い方についての意識の普及に努めています。

今後
委員会では、運動をさらに広げていこうとしています。例えば、雄犬の去勢、マイクロチップを用いた個体識別(避妊手術を受けた雌犬にはすでに埋設されています)、寄生虫の駆除運動などです。

以上の情報がお役に立つ事を願っています。さらに詳しい情報が必要な場合は、御気軽にご連絡下さい。

環境衛生局長
補足資料1:避妊去勢対策の効果:ダンディー▲目次へ戻る
年 1983年 1988年 1993年 1998年
犬の回収数 2526 2314 1390 948
犬の処分数 642 866 181(1) 82
飼い主への返却数 1163 791 571 380*
里親による引取り数* 662 542 649 464
子犬の回収数 データなし 447 73 21
子犬の処分数 データなし 232 5(2) 1
*推定値
(1) 老犬、衰弱した犬、慢性的に病気、委員会によって人に危害を加えると判断された犬
(2) すべて病気
付録8) FECAVA指針:▲目次へ戻る
避妊去勢に関するFECAVA指針(1998年11月)
どんな野良犬対策においても、効果的な避妊去勢の実施が必須だと考えられますが、この他にも、啓発、登録制度、個体識別制度も重要なので、検討していかなければなりません。
通常の外科的処置では、雄犬の場合は睾丸、雌犬の場合は子宮と卵巣を摘出します。獣医によっては、卵巣のみの摘出でよいとする人もいます。雌犬の避妊手術では、切開箇所(正中線に沿って、あるいは側面から)は、それぞれの獣医の判断と好みにまかせてよいでしょう。
避妊去勢を行なう時期が、性的成熟前が良いのか後が良いのかについては、FECAVAでは見解の一致が得られていません。公に報告されているそれぞれの利点、弊害を考慮した上で、獣医と飼い主が相談して決めてもよいのではないでしょうか。
頭数を減らすことが最優先事項である場合は、性的成熟前の避妊去勢が適当であると考えられます。
性的成熟前に避妊去勢を行なう場合は、麻酔、手術テクニック、回復方法の体制が整っていれば、生後7週間でも構わないと考えられます。
避妊去勢は、適切な麻酔技術と手術テクニックを必要とする外科的処置です。このような基本的な体制が整っていなければ、外科的処置をするべきではありません。
避妊去勢計画では、可能な限り地元の獣医やその関係者との連携をとります。
外科的処置に関するFECAVA指針(1998年)
ヨーロッパでは、国によって習慣も文化も異なることは周知のことで、このため、外科的処置について広く意見交換をするのは難しい状況です。

1997年11月にFECAVAに提出された討議資料では、以下のような働きかけを提案しています。

各国の関係行政団体は、その国で現在許可されているすべての外科的処置それぞれについて、動物に与える苦痛、およびその処置を施した結果得られる効果についての検討を行ないます。
意味の無い外科的処置だと認められたものについては、法律による規制が行なえるように働きかけます。
国際的には、各国の合意が得られる処置を絞り込み、「地域ごとの法規制」の実現を働きかけます(ヨーロッパの場合)。
見解の一致がみられない場合は、それぞれの見解を尊重します。しかし、国によって異なる状況については、今後の展開に継続的に気を配り、科学的なデータを蓄積します。
国際的な動物福祉団体や動物繁殖に携わる関係団体と連携をとり、啓発資料を提供していきます。これからペットを飼おうとしている人に、動物の本来の習性について知らせることは、たいへん意味がありました。
一般市民への啓発なしに立法だけを急いでも、効果があがりにくいことを覚えておきます。
FECAVAに所属する団体の調査結果と、1998年5月26日に開かれたFVEの動物福祉に関する委員会における討議から、次に挙げる外科的処置は意味の無いものであり禁止すべきであるとのおおまかな方向が示されたといえるでしょう。

犬の耳の切断
猫の耳の切断。ただし、捕獲された野生猫や野良猫に避妊去勢を施して再度放す際に、個体識別の手段として行なわれる場合を除きます(耳の切断と呼ぶよりも、「耳による個体識別」と呼んだ方が抵抗が少ないでしょう)。
犬の声帯切除
猫の爪切除
ケガや病気の処置以外を目的とした犬の尾の切断
犬と猫の避妊去勢、および遺伝的障害を矯正するための外科的処置の実施は必要であるということについては、完全な合意が得られました。後者の処置については、矯正手術を行なう際に避妊去勢も実施するべきであるという提案があり、この提案に対する支持もありました。 また、動物実験については、適切な規定があれば認められることになりました。 子犬のオオカミ爪の除去については、まだ論議中です。除去がすでに禁止されている国、およびまだ禁止されていない国のそれぞれから、効果を比較できるデータが報告されることが必要です。

FECAVA見解 人に危害を及ぼす犬について(1998年)
決定事項の要約:
人に危害を及ぼす犬を飼うことはやめるよう強く働きかけていきます。人の社会では、安全な生活が何よりも優先されます。ですが、どんな対策をとるにしても、このような危険な犬自体については、動物福祉の観点からの処遇が必要です。
人に危害を及ぼす犬についての問題が増えている原因はいくつも考えられます。犬の血統や品種、不当な目的で行なう犬の調教やしつけ、飼い主の認識不足あるいは啓発不足、あるいは、地域によっては社会的背景などの原因が考えられます。
闘犬用に改良された品種は確かにありますが、飼育できる品種を定めた法律では人に危害を及ぼす犬の飼育を規制するのは難しいことがわかっています。口輪の着用や、つないで飼うことを義務付けている法律もありますが、人に危害を及ぼすからという理由で殺処分を強制するのも厳しすぎるでしょう。
人に危害を及ぼす犬になりやすいのは、闘犬や戦うことを目的とした競技のために品種改良されたり調教される場合です。危険な犬の取り締まりは、まずは、このような飼育に対して行なわれるべきでしょう。現行の法律は、ほとんどが犬の虐待、動物福祉に関係したものです。このような法律の意義はもちろんありますが、闘犬の禁止なら、裁判所にとっても適用は容易で、規制をするのはたやすいと考えられます。
人に危害を加える犬を取り締まる法律がまだない国に対しては、制定するよう働きかけます。
法律があるなら、それを有効に実施していくことが必要になります。これには、犬を所有しているかどうかを十分に把握していると(つまり犬の個体識別と登録が徹底していると)、実施していくのが容易になります。
人道的なしつけ方法の講習会を、必要に応じて開きます。
犬を飼うことの責任を説いていくことは極めて重要です。これには、犬のしつけ、個体識別、登録などの手続きも含まれます。
闘犬が盛んに行なわれるような社会的、経済的に問題を抱えた地区や人の集まりに対しては、社会的、経済的援助をしていくことも考えていかなければなりません。
補足資料2:「ペットの尊厳を守る」キャンペーン用の情報媒体▲目次へ戻る
「ペットの尊厳を守る」キャンペーンは、ペットの飼育状況や取り扱いを改善していくために、WSPAが全世界で展開する活動です。 以下の資料では、野良犬や野良猫を対象とした人道的な対策や、できるだけ少ない経費で医療処置を行なうための手段を紹介しています。動物福祉に関係する団体ならば、いずれも無料で利用できます。

ビデオ
* 動物対策担当官(Animal Control Officer)
人道的な野良犬・野良猫対策を実施する際の動物対策担当官の役割の概要を解説し、動物の人道的な捕獲方法や取り扱い技術を紹介します。

* 猫カフェ(Cat Café)
猫カフェとは、野良猫に餌をやって飼うために、ホテルなどの厨房や飲食店から離れた場所にしつらえた空間です。

* 猫の飼い方と繁殖対策(Cat Care and Control)
捨て猫や野良猫が引き起こす問題、効果が薄い対策により生じる被害、および動物に与える苦痛に焦点を当てています。効果があがったさまざまな人道的対策を、世界中から集めた実例を示しながら解説します。

* 野良犬・野良猫対策(Establishing A Stray Control Program)
野良犬や野良猫対策の実施初期の状況を解説します。新しい対策を導入して、それを普及させるためには、行政担当者、獣医、警察、マスメディア、動物保護団体、一般市民、すべてが参加することが求められます。

* 犬の人道的な安楽死(Humane Euthanasia for Dogs)
このビデオにはナレーションがありませんが、さまざまな国で行われている人道的な犬の安楽死の方法を紹介しています。

* イスタンブールのバス動物病院(Istanbul's Bus Hospitals)
イスタンブールの中心地に、バスを改造して作られた動物病院があり(あまり理想的とはいえませんが)、そこで行なわれている効果的な動物治療を紹介しています。この事業は、WSPAの「ペットの尊厳を守る」キャンペーンの一貫として支援されています。

* ラム&ファザ島の猫病院(Lamu & Faza Cat Clinics)
このビデオにはナレーションがありませんが、効果的で人道的な野良猫対策ならば、自動車もなく立派な施設もない島でも十分に効果を発揮することを紹介しています。ラム島とファザ島は、ケニア沖の島です。

* 犬と猫の避妊去勢技術(Neutering Techniques for Cats and Dogs)
犬と猫の避妊去勢技術を習得しようとしている獣医のための手引です。性的成熟前の避妊去勢も含む手術手順を詳細に紹介しています。

* 突発的事態や災害時にペットを守る方法、および畜産業者が災害に備えてすべきこと(Plan to Protect your Pets in case of Emergency or Disaster & Disaster Preparedness for Livestock Owners) 
WSPAの加盟団体であるアンティグア&バービュダ島動物愛護協会が作成しました。WSPAを通じて入手できます。

* 野良犬対策(Stray Dog Control)
交通事故、咬傷事故、野犬の家畜襲撃、糞の処理問題、衛生問題の点から、野良犬が引き起こす問題、それによって犬が被る不幸、効果の薄い対策が生み出す目に見えない被害について考えます。そして、どのようにしたら効果的な対策を導入できるのかを、世界各地の例を紹介しながら解説します。

パンフレット
* 動物対策担当官(Animal Control Officer)
人道的な野良犬・野良猫対策を実施する際の動物対策担当官の役割の概要を解説し、動物の人道的な捕獲方法や動物を扱う際に有用な道具を紹介します。

* 動物の安楽死(Animal Euthanasia)
さまざまな安楽死の方法を解説し、人道的な方法と非人道的な方法とを比較しています。

* 猫の飼い方(Care of the Cat)
子供にも大人にもわかる一般的知識。

* 犬の飼い方(Care of the Dog)
子供にも大人にもわかる一般的知識。

* 猫カフェ、使い方(Cat Café & Manual)
猫カフェとは、野良猫に餌をやって飼うために、ホテルなどの厨房や飲食店から離れた場所にしつらえた空間です。

* 猫の飼い方と繁殖対策(Cat Care and Control)
政府、地方自治体、獣医、動物対策担当官、動物保護団体が、効果的で最新の野良猫対策についての理解を深めてそれを実現させていくのを助けます。

* 動物福祉の考え方(Concepts in Animal Welfare)
獣医を養成する教育機関で動物福祉について教えるときに役立つ事例集。

* 動物保護団体を設立してみよう(Establishing an Animal Protection Society)
啓発活動、キャンペーンの方法、行政への働きかけ方、一般市民との連携のとり方、マスメディア対策、必要な施設や世話の仕方、などについてのすぐに役立つ情報を盛り込んでいます。

* 動物保護施設の設計と運用(Planning and Running an Animal Shelter)
動物の保護預かり所を立ち上げて運営するために必要な実務と専門技術を解説しています。

* 野良犬対策(Stray Dog Control)
政府、地方自治体、獣医、動物対策担当官、動物保護団体が、効果的で最新の野良犬対策についての理解を深めてそれを実現させていくのを助けます。

* 避妊去勢の重要性(The Importance of Neutering)
犬や猫に避妊去勢を行なうことの重要性と利点をまとめてあります。

「ペットの尊厳を守る」キャンペーン用に定期的に改訂される資料については、

http://www.wspa.org.uk をご覧下さい。

(完)



野犬の馴化


野犬の捕獲


野犬のトレーニング


センター職員による野犬への医療



譲渡された野犬


みやざき市民オンブズマンのウェブサイトより文章を転載させて頂きました。この場を借りて感謝申し上げます。

http://www.miyazaki-ombuds2.org/dogs.php#taisaku

目次ごとに頭だし検索が可能。
収容施設の設計図案や図表グラフ、道具等の画像はこちらのサイトでご確認下さい。

*************

著作権:世界動物保護協会(WSPA)

「野良犬をなくすための実用ガイド」

この冊子は、政府機関、地方自治体、動物対策の専門家が、効果的な最新の野良犬対策についての理解を深め、それを実現していくのに役立ててもらうために、世界動物保護協会(WSPA)が作成しました。

この冊子は、1990年に、世界保健機構(WHO)と世界動物保護協会(WSPA)が共同出版した「犬の頭数管理のためのガイドライン」を補足する目的で作られました。野良犬対策を立てるにあたり、従来から用いられてきた有用な手法や、必要な施設、道具、作業手順についての具体的な参考情報を含めた実際的な詳細情報を盛り込んでいます。この冊子で説明する基礎情報の中には、「犬の頭数管理のためのガイドライン」から内容を引用したものもあります。

更に詳細な情報が必要な場合や、ご相談は、WSPAまでご連絡下さい。

WSPA 世界動物保護協会
89 Albert Embankment, London, SE1 7TP, UK
Tel +44 (0) 20 7793 0540
Fax +44 (0) 20 7793 0208
e-mail: petrespect@wspa.org.uk
web: www.wspa-international.org
訳者 林裕美子

目次
歴史的背景
犬を飼うことの恩恵
きずなが壊れるとき
野良犬とは?
費用問題
効果的な対策
啓発
犬の登録と標識着用
犬の登録料あるいは課金
避妊・去勢
飼い主のいない犬が生息できる環境をなくす
ブリーダーの認可制度
販売業者の認可制度
制度の運用
必ず効果があがる
付録
付録1) ウォルサム・フォレスト野良犬対策
付録2) ペットに関する法的規制案
付録3) 犬を制御するための道具 車両に装備するとよいもの
付録4) 犬の標識
付録5) 犬収容施設を建設する際のヒントおよび設計方法 犬舎や作業車内への病気の持ち込みや感染拡大を防止するための手順
付録6) 犬の捕獲のコツ
付録7) ダンディー地方の対策委員会の例
*補足1  避妊去勢対策の効果:ダンディー
付録8) FECAVA方針
避妊去勢について (1988年11月)
外科的切除について(1988年)
人に危害を及ぼす犬(1998年)
*補足2 「ペットの尊厳を守る」キャンペーン用の情報媒体
このパンフレットは、犬の対策についてのものです。猫対策についての情報をご希望の方は、「猫の飼い方と繁殖対策」という冊子をWSPAで用意しています。

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飼い主のわからない犬を、捕殺でなく、生かして助けたいと尽力されている皆様へ。
孤独ではありません。私たちも茨城で同じ取り組みをしてきています。時間と愛情をかけて、非効率的なことを行う苦労は並み大抵ではありませんが、狂犬病予防法により本来は処分になるはずの野犬が、私たちボランティアの目の前に、殺されずに生きている、元野犬たちの輝く瞳があります。これは、感情を持つ、繊細な命です。

これが、何よりの励みですね。

負けないで、進みましょう。



byおかめ