最近の機材 2 | おんがく・えとせとら

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 上写真は、前回ご紹介した偽イバニーズ・テレキャスターの偽ビグスビー。30年以上前に買って放置してたもの。お尻の、「Bigsby」の名前が入る部分がブランクになっています。実はそれ以外にも本物と違う点がありますが、分かりますでしょうか。

 …弦の止め方ですね。本物は下写真のようにボールエンドを突起に引っ掛ける方式、こいつは回転支柱の穴に通して弦を止めるようになっています。本家の弦止め突起は支柱に開けた穴にネジを突っ込んで先端を出すようにして作ってあるようですが、穴開け加工までで済ませておけば用が足りるところを、わざわざもう一手間かけてるのはなぜだろう?支柱に巻き付ける際の極端な弦の折れ曲がりを防ぐためか?弦交換のしやすさを狙ってるのか?案外、効率一辺倒でないところが日本人の思考とは違うところかも。


 VIBRAMATEのビグスビー搭載用ブリッジは、ご覧のように後ろの壁がカットされています。プレートの角に切れ込みがあるのは、ビグスビーを本体にネジ止めせずに搭載できる、専用の馬蹄形金具を連結するためのもの。もっともこれを装着すると、ヴィブラート・ユニット自体の取り付け位置が上昇して弦押さえの角度が緩くなるためパスしました。というか、本体固定用のネジ穴が本物と若干位置ズレしており、使えないという理由もありまして。
 駒は付属していないため、別のパーツから外してきました。フェンダー・CSマネージャーのマイク・エルドレッド氏がかつて「思い描くテレキャスター・サウンドの生命線はブリッジのブラス・サドルブラスにある」サウンドのイントネーションがより安定する」と語っていました(ギターマガジン2008/1)が、確かに弦が接触するパーツ…ナットとかブリッジとか…は、材質、質量が変わると音色も変化するようです。異種材料が組合わさった方が幅があるように感じます。
  ブラス(真鍮=銅+亜鉛)は比較的柔らかく、ベンダーやヴィブラートアームを多用していると弦との摩擦で駒が摺り減ってくるため、鉄製のモノを使うケースが見られます(下はクラレンス・ホワイトのテレキャスター。ブリッジ周りのごちゃごちゃした細工に気を取られないように)。
 音の潤い感、倍音の差?で、私はあえてブラスを選びました。もっとも、国産のブリッジ駒にはわざわざブラスにクロムメッキを施したものもあるようですが。




 件のギターのサンプル音を以下に。
 アンプは前回紹介した10ンチEVスピーカー付き15WのSuper Champ XD。真空管アンプながらモデリングアンプはイマイチ抜けが良くないものの、きちんとマイクで拾ってやれば結構使えます。モデリングチャンネルは#11。DanelectroのCTO-2ブースターを常時ON、歪み時はZEN DRIVEを使っています。場所は200座席収容の体育館みたいなところ。