白斑の症状/原因 | 精美スキンケアクリニックのいきいきワクワク情報ブログ

 

白斑は、「白なまず」と呼ばれることもある皮フの一部が脱色されたように白くなってしまう疾患です。

通常、痛みやかゆみはほとんどなく、身体の他の部分に機能障害などを及ぼすことはありません。

 

しかし、皮フの一部の色素が抜けて白くなり、頭部や顔面、首、腕や手など日常生活で露出して人目につきやすい部位に発症することが多いので、かなり目立つ皮フ疾患といえるでしょう。

白斑はできる部位によって、


全身に左右対称に表れるタイプ〔汎発型〕
1〜数個の白斑がある部位に集中的にできるタイプ〔局所型〕
皮フの神経に沿ってできるタイプ〔神経分節型〕


に分けることができます。

白斑が他人に感染することなどはありませんが、実際に治療に訪れる患者さんの話を聞くと、医学的な知識がない周囲の人たちから「感染する」と言われた経験を持つ人が少なくないようです。

尋常性白斑と呼ばれる一般的な白斑は後天性(生まれつきではない)皮フ疾患で、あるとき(幼少〜成人までさまざま)をきっかけに発症します。

一般的な白斑である尋常性白斑以外にも、先天性の〝限局性白皮症〞や〝脱色性母斑〞、高血圧の薬による〝白斑黒皮症〞、子どもの顔によく見られる〝はたけ〞、皮フの老化現象によってできる〝老人性白斑〞などもあります。

 

白斑ができる原因についてお話します。


皮フにはメラニン色素と呼ばれる色素細胞があり、これが多いと肌の色が濃くなり、少ないと肌の色は薄くなります。白斑は、このメラニン色素がなくなってしまうことで、皮フが白くなってしまう症状です。

白斑の原因として、現在では、「自己免疫説」と「神経説」という二つの説が有力とされています。


●自己免疫説
過度のストレスなどによって起こる自己免疫の異常が白斑の原因になっているのではないか、という説です。

身体には、細菌などの異物の侵入に対して白血球などが攻撃することで生体を守る自己免疫機能が備わっていますが、過度のストレスなどが引き金となってこの自己免疫に何らかの異常が起こってしまうことがあります。

この異常をきたした自己免疫が、メラニン色素を形成する細胞を自分で壊してしまったり、機能を低下させてしまったりすることで色素の脱失が起こって白斑が発症するという説です。

自己免疫説は、尋常性白斑のうち、〔汎発型〕や〔局所型〕の原因と考えられています。

●神経説
自律神経の異常が白斑の原因であるという説があります。

〔神経分節型〕の白斑が、神経の支配領域に目立って現れることや白斑ができている部分に発汗異常など自律神経系の変化が認められることから、自律神経と白斑の関連が指摘されています。

また、近年、皮フの神経とメラニン色素をつくるメラノサイトがつながっていることが明らかにされました。

 

さらに、培養色素細胞において神経蛋白であるカルチトニン遺伝子関連蛋白などが、正常メラノサイトや分節型白斑のメラノサイトに影響を及ぼしていることもわかってきました。

こうしたことを背景に、自律神経の乱れが〔神経分節型〕の白斑発症の要因であるとする説です。

他に白斑発症のきっかけは、怪我や火傷、日焼けなど、皮フに対する刺激が与えられることではないかという説もありますが、はっきりとしたことはまだ解明されていません。

また、いったん発症した白斑が広がるには、お茶やコーヒーの飲みすぎや肌着・衣服に残留した洗剤、体の洗いすぎなどが影響するとも考えられていますが、患者さんによって個人差があり一概には言えません。