ブルーマインド | 毎日がメメント・モリ

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映画レビュー、イラスト、好きなもの、日常。
ホラー映画メインですが、ほとんどの映画は美味しく拝見いたしております。
イラスト禁無断転載。

 

あんまり暑いので何か涼しそうな映画をーと思いまして。で、最近、皆様に沢山アクセス頂きまして、アクセス解析見てたら思わぬ映画記事に「いいね」を沢山頂いていたり、アメブロのハッシュタグランキング(だっけ?)にランクインしていたり、こんな文章下手くそなブログにありがとうございます。イラストじゃなくて映画で申請してるって言うねw でも映画記事が一番多いんですよ。好み偏ってますが、ぼちぼち頑張らないでやって行きますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

 で、「ブルーマインド」です。

 

所謂「成長期の少女の変化を何かに例える」タイプで、今までも「獣は月夜に夢を見る」などありましたが、今回は人狼でなくて人魚。夏ですなあ。そして同様に人魚テーマの「ゆれる人魚」は「人魚姫」がベースになった女の子の「ちょっと怖い御伽話」でしたけど、こちらは思春期の女の子の成長を人魚に例えたよりリアルな「女の子の映画」です。ゴリゴリのホラーを期待したらガッカリしますので、お気をつけ。まあ、タイトルからしてあんまりホラー味は無さそうではありますわな。お化けやゾンビは出てきません、悪しからず。

 

 

得体のしれない思春期の不安を抱えた主人公ミア、転校したて、両親と不仲では無いが何となく反抗期、どことなくお互いに距離を取ってる微妙な?親子関係。クラス内で目立つジアンナのグループに近づいて仲良くなろうとするミア。お酒、万引き、ボーイフレンド……湧き上がる不安を振り払う様に悪い遊びに傾倒して行きます。

 

 

やがて不安は目に見える形となってミアを襲います。この辺りのファンタジーホラー味とエグいくらいのリアルさのバランスと言いますか、監督さんはやはり女性の様で、このテのこう言うバランス感覚はやはり女性ならではかなと思いますね。もうね、ちょっと女の子を持つ親御さんはそれこそ不安になるんじゃ無いかと思うくらいのある意味「痛い」青春映画とも言えそうです。また、過ぎ去った人には「あー若いって良いなー」って映画でもありますw

 

 

ミアの身体に変化が起きる、足指が合指症を起こし皮膚がアザの様な色に変化して行き、衝動に耐えきれず生魚を貪り食べてしまったりする。医者に行っても「あり得ない」と言われ、両親にも相談出来ず1人で悩む辛い日々……この辺りの描き方も結構生々しいので人を選ぶ作品かも知れませんが、病気による孤独感や疎外感を経験した事のある人は共感できる所かも知れません。

 

しかし、パシリから入ってグループのリーダー的存在、ジアンナと友情を育むまでになったミア、ジアンナだけはミアを理解して最後まで手助けをします。もう親じゃないんですよ、この映画では親は一貫して蚊帳の外です。ミアの苦しみを理解しようとはしません、と言うか、愛がない訳ではないけれど多分親が理解出来ない域に来てしまった。ミアは完全に家族から離れ、外の世界に拠り所を見出し、そして尚、全てに別れを告げて一人で水平線を目指して旅立ちます。

 

ジアンナだけに見送られ、大海原を目指すミアの姿は切なく悲しく、そしてまた晴々として美しく清々しくもあります。

 

 

 

 

†††リサ・ブリューマン監督作品


ミア:ルナ・ウェドラー
ジアンナ:ゾエ・パステル・ホルトゥイゼン
ビビ:ヤエル・マイヤー
ガブリエラ:グラウウィラー
ジム:ベンジャミン・ダンゲル

ソフィー:ウーナ・ルーカス

ロベルト:デヴィッド・オバーホルツァー

アレックス:ティモン・キーファー


†††2017年 スイス
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