【PAST LIVES】酸いも甘いも噛み分けた大人だから味わい深く感じられる映画 | 【出口貴章(ターキー)のブログ】喋りで大切にしてほしいいくつかのこと

【出口貴章(ターキー)のブログ】喋りで大切にしてほしいいくつかのこと

CHANGE TALK,CHANGE LIFE
「話し方を変えたければ生き方を変えろ」
一般社団法人日本フリートーク協会代表理事
現役ラジオDJ
もっと自由に、もっと自分らしく、もっと自信を持って
小手先の技術(やり方)ではなくあり方にこだわって欲しい

メリーゴーランド


Change Talk, 

Change Listen and Life. 


"話し方を変えたければ 

 聴き方と生き方を変えろ" 


「話がちゃんと”伝わる人”と 

   話をちゃんと”聴ける人”を増やす」 

 「22世紀に人見知りを社会からなくす」 


 トークスキルだけにフォーカスした 

自己満足的な解決法に疑問を投げかける 

そもそも話し方に悩む人の大半は 

“聴き手に原因がある”ことがほとんどです 


 約3000人の悩みに寄り添い気付いたこと 

「話し方」だけを改善しても意味が無い 

本当に考えるべきは「聴き方」と「生き方」 

「聴き方」と「生き方」を変えれば 

「話し方」は自ずと変わっていくもの 


 27年間現場で培った“DJ的逆張り思考”により 

話し方、聴き方、生き方をフルイノベーション 

一般社団法人日本フリートーク協会代表理事 

Lifeskill Talk College 学長の出口貴章です 


 こんにちは! 

今日は僕のブログに来ていただき 

本当にありがとうございます!



PAST LIVES / 再会


今どきな恋愛映画ではないだろう

「お涙頂戴物語」には辟易している

大人が演じるからには大人の物語

そういうものを期待して劇場へ向かった


先に言っておきます

ネタバレほどではありませんが

あくまで僕の主観を中心として

ある程度映画の印象を話します


僕がする映画紹介のベースは

「あらすじを言わない」ことですが

そこをご理解いただけるのであれば

この先を読み進めてくださいね


「ラブストーリー」


いわゆるジャンルで分ければ

そんなカテゴリーに入るのかな

もともと僕は恋愛ものの作品は

ほとんど見ないと言っていいほど


誰かがこの作品をこう言ってた


「人生讃歌」


言い得て妙だなと思った

見終わってからさらに思った


「まさしくそうだな」


自分の人生に否定や肯定はない

なので「ラブストーリー」じゃない

あくまで僕の中のカテゴライズ

ドキュメントに近いかもと思いました


そこにいかにもな演出はないし

へんに共感を強いることもない

いい意味で「淡々と」描かれる

そこに僕は惹かれたし共感出来た


ともすれば「面白くない」

そう評価をする人も多いでしょう

つまり「いかにもな」恋愛映画

これを期待すれば肩透かしを食らう


作品の中でこれを表す台詞がある

「袖触れ合うも他生の縁」

仏教というか東洋的な思想なのかな

我々がことある事に使いたがる「ご縁」


もちろんこのご縁の解釈は人それぞれ

この映画の根底にあるテーマがこれ


「ご縁がなかった」


極論言ってしまえば

ご縁は世界中の人とある

「ご縁がない」人などいない

袖触れ合うも他生の縁とはそういうこと


でもその中で「ご縁がない」人とは?

繋がれるはずだった人と繋がれない

よく「運命のいたずら」などとも言う

そのいたずらに翻弄された大人の物語


つまり


激しく愛情を注ぐだけのものが愛じゃない

色んな形があって色んな捉え方があって

それこそ形に見えないものもあるだろう

人知れず密やかにしておくのも立派な愛です


印象的だったシーンはやはり

ポスターにもなっていた場面です

ふたりがニューヨークで再会して

そのバックにメリーゴーランドが回る



「描き方が上手い…」


ひとが生きた時間(PAST LIVES)

そして色んな人との出会いはまさに

このシーンが象徴するそのものでした

その時に交わされる会話も同じくです


そのあとにさらに印象的だったのが

このメリーゴーランドの照明が落ちる

煌びやかだったものが一瞬で真っ暗になる

ほんの2秒ほどのカットですが秀逸でした


誰がと誰かの人生が交わり交錯し

そしてご縁がなければ離れていく

でもご縁が本当にあるとすれば

時間とともに再び会うこともある


そこに激しさはまったくありません

でもある程度の時間を生きたからこそ

もの言わず穏やかに携える過去がある

まさにこのメリーゴーランドのようです


物語のベースは幼い頃の淡い恋心

でも誰しもそんな人がいるはずです

それは付き合うなどの恋愛関係でなく

日常の何気ない人間関係でも同じくです


この人と知り合ってなかったら

この人にあの時こう言っていれば

後悔というものではない「タラレバ」

人生が変わっていたかもなという場面


そんな過去に抱える痛まない傷

思い出せば苦笑い出来るような

そんな傷は誰しも持っているはず

幼い頃の薄く残る一生傷のように


日常を纏うから隠れてはいる

もちろんひけらかす必要はない

そんな思い出のひとつやふたつ

大人になれば誰もが持っています


アカデミー賞には「縁がなかった」

でも各地でこの作品の評価は高い

作中にも「賞」に関する台詞がある

何かそれを象徴しているようでした


各地で評価された理由

なるほどこういうことかと

今日映画を見て納得出来ました

僕のなかでもかなりいい印象でした


甘酸っぱいとかほろ苦いとか

そんなラブストーリーではない

酸いも甘いも噛み分けた大人だから

味わい深く感じられる作品だと思います


映画を観たあと

どこか少し寄り道をして

自分の過去と対話したくなる

そんな映画でした


今日も読んでくれてありがとう

ほいじゃまた明日!