落ち着いてきたので、改めて考察をば。
センチメンタル・アマレット・ポジティブの登場人物は4人。
自称レズのイチ子、
不倫真っ最中の二子、
プータロー彼氏がいるサン子。
そして、イチ子に恋する少年、シロー。
シローくんは、イチ子が密かに二子ちゃんに想いを寄せていることを知っていました。
イチ子が好きだから。
好きな人のことは誰より見てるんです。
三人娘が象徴するのが「自己嫌悪」だとしたら、シローが象徴するのは「器」。
演出さんいわく、シローは「唯一の救い」だそうです。
三人娘は最終的に自殺を選ぶわけですが、シローくんは最後まで、それを止めようとしていました。
誰がどんな自己嫌悪をぶつけても、自分の持てる理解を持って受け入れようとしていました。
その体制がなんとも気味が悪くて胡散臭くて、思春期女子達からは総スカン的な扱いを受けるわけですが。
「自分のことも好きになれないのに、好きになってくださいなんておこがましくて……」
シローは、自分のことが大好きな明るいヤツという訳ではありません。
むしろ逆。
でも、それを仕方がないと受け入れる柔らかさを持っているだけなのです。
たぶんそれは、今生きている多くの大人の人たちと同じく。
でもねぇシローくん。
自殺を止める文句に
「明日、皆でUSJ行きましょう。3時に……いや、何時でも、待ってますから……」
ってーのは、むしろ逆効果だと高木さんは思いますよ(笑)
自殺がいいか悪いかなんて賛否両論ですから、そんな哲学的なことは分からないけれど。
シローくんは自分の「生きていてほしい」という気持ちに従って自己中に行動したのでしょう。
自己中というのは時に良い効果を発揮する場合もあるのです。
シローくんがね、
「いいですね!死にましょう皆で!」
と問いかけていたら、ちょっとだけ結末が変わっていたのかも。
高木さんはそう思っています。
そうですねぇ……二子ちゃんあたりは慌てふためくんじゃないかな(笑)
シローくんが象徴するもう一つのものは「大衆」だとおもっています。
自殺はダメだ。
生きてて欲しい。
明日に楽しみを。
好きな人と愛を。
汚いものも受け入れて。
そんなもっともらしい「大人」の感性がにじみ出ていたキャラクターではないでしょうか。
多くの「その他大勢」が口を揃えていいそうなことが目白押しです(笑)
でもその想い、自ら命を絶つことを選んだ人間には、たぶん届かない。
そんな「当事者」と「傍観者」のズレを、役者である平田氏はうまいこと引き出してくれてたように思います……本人に自覚があったかは知りません(笑)
シローくんは「その他大勢」を1人で演じてくれてたわけですね。
いやぁ、少人数劇って恐ろしい(笑)
ちなみに高木の勝手な妄想ですが、USJでひとり待ちぼうけたシローくんはその後、数日落ち込んで復活し、たまーーーに3人の事を思い出しながらもそれなりに幸せになったのだと思います。
そういうちょっとした薄情さや刹那も含めて大衆的であってほしいと、心の片隅で願っているわけです。
シローくんについてはここまで。
では、また(^_^)/~~