意外に知らないブラジルリーグの特殊制度 | 南米日本人サッカー監督の挑戦

南米日本人サッカー監督の挑戦

FIFAクラブW杯2012優勝のSCコリンチャンス・パウリスタにてサッカー指導者をしています。

Jリーグ南米戦略や苦悩、面白ネタなどを綴っていきたいと思います。

世界的に見てブラジル全国リーグというと欧州主要リーグの次に強い、とか、ブラジル全国リーグには若手の次期スーパースターが眠っていて、ここから欧州や世界各国へ羽ばたいて行くというイメージかと思います。


そしてブラジル全国リーグの正式名称はカンピオナート・ブラジレイロと言います。


1部リーグをセリエAと呼び、以下セリエDまであります。




しかし、このブラジル全国リーグ、他の国の呼ばれ方と比べて違和感がありませんか?



そうです、ブラジル"全国"リーグと、わざわざ全国という言葉が付け加えられる事が多いのです。


普通はイタリアリーグ、スペインリーグ・・etcとだけの表記だと思います。




これはJリーグや欧州リーグに注目が集まる日本の方には少し理解するのに面倒なので、このブログで紹介したいと思います。


まず、日本のリーグの場合、J1・J2・J3・JFLまでが全国リーグです。
そしてその下に関東リーグや九州リーグといった地方リーグがあり、更に下に都道府県リーグがあります。


都道府県リーグで勝ったら地方リーグに昇格、地方リーグで勝ったら全国リーグに昇格、という具合。
つまり全国リーグを頂点にピラミッド型、上下関係があります。



しかしブラジルでは、地方リーグと全国リーグがそれぞれ独立したリーグであり、そこに上下関係はないのです。

そしてブラジルのプロクラブは、全国リーグと地方リーグに同時に所属している事になります。




例えば僕のいるアトレチコ・パラナエンセでは、全国リーグ1部、パラナ州リーグ1部に所属しています。



僕が以前研修させていただいたオペラリオというクラブでは、全国リーグ4部、パラナ州リーグ1部に所属しています。



日本の九州で例えると、全国1部にいるのは鳥栖、2部に北九州、福岡、大分、熊本、長崎があり、3部にFC琉球、4部にHOYO、ホンダロック、鹿児島があります。

だいたいこの10チームで九州リーグ1部を戦うのです。

全国的にはJ1とJFLという扱いですが、九州的には1部として対等に戦い、九州1を決めます。





サッカーというのは何が起こるか分からないものですから、ねじれも起きます。

実際今年のアトレチコ・パラナエンセは全国1部で3位で、ライバルのコリチーバは降格争いをしていたのに、パラナ州リーグで優勝したのはコリチーバでした。



過去にはもっと大きなねじれもあったでしょうね。




ブラジルのリーグ戦のやり方が理解出来たでしょうか?


質問、訂正等あればコメントお願いします^ ^