論文の過去問検討 | フルカウント

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司法試験に3回目かつ5年目の崖っぷちでなんとか合格できた弁護士による受験備忘録です。

論文の勉強のメイン、過去問の検討について述べます。
この点も基本的には択一と同じです。
 ポイントは、解けないことをいちいち気にしない、です。
むしろ解かずに、問題見て、合格者の答案をすぐに見る。
とりあえずは、どんな問題がでるのか、どれだけ答えられたら合格するかを知ることが重要
です。

 まず、問題を見て、合格者の答案を見て、問題を知り、合格レベルを知り、そして自分の今の実力を図ります。自分ならどこまでできるか、論点に気づけるか、規範が書けるか、当てはめは十分にできるか、表現力はどうか、試験時間内に書けるか、など合格者の答案を見て検討します。

 そして、様々な合格者答案を見て、自分でも書けそうな答案、自分が書きたい答案、真似したい答案を1通多くても3通ぐらい選びます。出題趣旨やヒアリング、採点実感も目を通して過去問の検討を終えます。

 それからは、上記のように検討した過去問を実際に解いてみます。前に合格者答案を見ていて、何が問われているか分かっていたとしても、ろくな答案は書けません。何度か問題や答案に目を通したぐらいで、合格答案が書けるほど司法試験は簡単ではありません。書けるのならそれは合格レベルです。

 まともな(合格レベル)答案が書けるまで過去問を解き続けるようにします。
過去のすべての問題を検討するうちに以前解いた問題は驚くほど忘れていますから、何度解き直しても私は新鮮でした。
ここで、注意することは、自分が書いた答案に固執しないことです。合格者答案と比較して、自分の答案の足りないところを把握したらそのショボイ答案は直ぐに捨てましょう。そして、合格者答案をじっくり見ましょう。自分より何が違うのかどう優れているのか合格者答案を何度も見て、覚えてしまうぐらい読み込みましょう。
ショボイ答案をう~んう~んと見ているよりも、合格答案をふーんふーんと見ている方が絶対に参考になります。
 合格のための要素は自分の外にある、と考えた方がいいと思います。決して、自分の内にあると勘違いしないでおきましょう。外にある理想的な答案(合格レベル)に受かっていない自分がどれだけ近づけるかが重要だと思います。

 どうして、これだけくどいぐらい自分の答案・考えに固執するな、というのは、固執して不合格となっている人が多いと感じるからです。勉強が進んでいるほどそういう人が多いです。
 自分の書いた答案へのこだわりが正しいかどうかは合格してみないと分かりません。それよりは、既に合格した答案を自分の基準に置いた方が絶対に安全かつ確実です。

 私は、上記の過去問検討を、1時間半で解く(最低5枚は書く)ようにしていました。そうすることで、本番で普段より30分余裕をもって解くことができ、分からない問題も悩む時間が確保できました。

 さらに、えんしゅう本(演習書)の繰返しから、えんしゅう本で得た知識が過去問の検討で活かせるようになってくると、分からない問題などが減っていき、また合格者答案とえんしゅう本の内容とを比較しながら表現など工夫していきました。