ロースクールの教員について | フルカウント

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司法試験に3回目かつ5年目の崖っぷちでなんとか合格できた弁護士による受験備忘録です。

ロースクール教員には、学者と弁護士の教員がいます。

おおまかな傾向としては、弁護士の教員は現実的で実践的な講義が多く、学者の講義は理論重視の断片的内容が多く使えないものが多かったです。
単純に、学者の講義は、下手くそなものばかりです。
その人が研究者としては優秀か知りませんが、教育者としては疑問な人ばかりでした。
試験に全く使えなかったです。

しかし、ごくまれに例外はいます。
学者の先生で、試験にも通用するすばらしい講義をされる方がいました。
あえて実名を述べますが、行政法の北村和生先生です。

北村先生の講義は、行政法の基本事項、条文、判例、学説について大変バランス良く網羅的に説明され、また、個々の設問に対して先生自身が明確な答えを明示し大変分かりやすいものでした。
私が、どれだけ予習をして考えぬいた設問の答えも、先生の解答例には到底及ばなかったです。
問題点を端的に指摘する、コンパクトに本質を説明する先生の講義は、どの参考書・問題集も及ばないほど洗練された内容でした。講義後に全く疑問や質問が浮かばないほど分かりやすかったです。
先生の授業により、行政法の試験については、授業のノートと過去問についてひと通り勉強すれば十分に試験に対応できました。

逆に、他の科目については全く対応できませんでした。
ダメな講義は、ロースクール生のみなさんも十分承知だと思います。
北村先生の講義の反対で、バランスも考えず断片的内容だけを、大量の設問を用意する(もしくは全く用意しない)が答えはなく、無駄にソクラテスメソッドで時間を浪費し、自己のよる学説だけを説明し、板書やレジュメもろくになく、だらだらと話しているだけの時間の無駄な講義です。

たまに、まるで講義を受ける学生に原因があるように弁解する教員がいます。
まあ、水掛け論になるのでやめますが、教員の言い分が正しいのならば、その講義だけしか受けない真面目な未修者の大半が司法試験に合格できていない現状をみれば、教員に問題があることは客観的に明らかです。高い学費とっているにもかかわらず無責任な教員が多いのは本当に困りますね。残念です。

北村先生のように、たまに素晴らしい講義に出会うことができます。
これは軌跡です、ラッキーだと思いましょう。
一般的には、上位ロースクールほどこの確率は高いと思います。