東日本大震災では、私の住む茨城県の県北地域も被災しました。
東北のみなさんのご苦労に比べれば、微々たる苦労でしたが。
それでも水も電気もガスもない日々を過ごし、いつ復興するのか分からない日々。
このまま治安が悪くなってしまったらどうしようか・・・など不安な思いを抱いていたものです。
本当に偶然なのですが、あの日の前日、母が割と豪華な花束をもらってきていて、玄関に飾っていました。
普段の私なら大喜びでアレンジするところでしたが、自分たちの飲み水の確保にさえ必死だった日々、花瓶の花の事にまで気は回りませんでした。
写真はストックの花が落ちた部分。
ストックは色のバリエーションが多くて比較的安いので使いやすくて好きですね。
実際、生活に必死だと花なんて見ても何も感じないんですよ。
玄関の花を見ても、ほころびだした梅を見ても、『あ~、花だ』と思うくらいで。
とても『キレイだなぁ』なんて思う余裕はありませんでした。
ようやく生活が落ち着きだした二週間後。
ふと全く世話をしていなかった玄関の花を思い出し
『咲いててくれて有難う』と訳もなく感謝したくなりました。
たっぷりと時間を掛けて水切りをしたあの日のくつろいだ気持ちを、いまでも忘れる事が出来ません。
今、花をキレイだと思う余裕のない方々が本当にたくさんいらっしゃると思います。
私に出来る事など本当に何もないのですが。
みなが、花を見て足を止めて、キレイだね、と微笑みあえる日がまた来ることを及ばずながら祈っております。