2014年の初めに・・・ | ガランリンの脇台詞 *わきぜりふ*

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伽藍琳(ガランリン)のブログ

明けましておめでとうございます

2014年がみなさまにとって、
豊かで笑顔のたえない一年になりますようsmile

 

昨年12月は、これまでで最も速いスピードで過ぎて行った気がします。
歳を重ねれば重ねるほど、きっとそうですよね、
月日の流れは加速度を増していきますが、
大事なものを取りこぼさないように、アンテナしっかり張って、
今年も歩いてゆきたいです。


本当は昨年の内に書きたかった12月の釜石で感じたこと。
ちょっと、いや、かなり長いです。
グラス片手にお読み下さいマセ。

ライン ライン ライン ライン ライン ライン ライン ライン ライン ライン

2011年の震災以来、被災された方々の、ほんの少しでも何か力になることができたら、と、ずっとずっと思いながら、日々の生活を営むことに精一杯で、公演で岩手に行くことはあっても、海沿いに足を運ぶ機会を作ることができませんでした。

昨年12月、やっとその機会が訪れました。震災直後のがれき撤去から始めて東北でボランティアライブ活動を重ねているギタリストの真辺雄一郎くん、ミュージカル仲間の今泉由香さんのチームに混ぜて頂いて、釜石の仮設住宅を廻り音楽を届ける旅に行ってきました。

遠野で活動を続ける復興支援コーディネーターの保坂志保さんがライブ場所の手配をして下さり、3日間で6か所(釜石市の仮設住宅5か所、仮設商店街1か所)の住民の方々と、音楽を通じて交流させて頂きました。

各仮設住宅内にある談話室での、1時間ほどの音楽時間。歌→健康体操→歌→お茶っこ(住民の方々との交流お茶会)という流れで、主に昭和歌謡を中心に聴いて頂いたのですが、何て言うかもっとずっと、演奏する側と、聴く側との間に、垣根があると思っていた。その垣根を作らない感じさせないために、自然体で心通うライブにするためには、どうしたらいいんだろうと、若干不安に感じていた私の想いは…全くの杞憂でした。住民の皆さんが醸し出して下さる穏やかな歓迎の空気と、私達の音楽や詞(ことば)を深くじっくりと味わおうとして下さっている姿。心根の温かな真辺くんと由香が築いてくれた土台あってこそですが、私の頭が勝手に作った垣根も一気に吹き飛び、とても豊かな時間を過ごすことができました。聴いて下さった皆さんも、同じように感じていてくれたら嬉しいなと願いつつ…。

ある仮設住宅では、由香と私のハーモニーをとても喜んで頂けたので、アンコールは私達がハーモニーを付けますので皆さんが主旋律を歌って下さいと提案してみたところ、予想以上の大合唱となりました。音楽そのものが持つ力を改めて信じることができる体験でした。音楽の原点を再確認する機会にもなり、また、月並みな言葉ですが、1+1が2ではないということをひしひしと感じた三日間でもありました。

真辺くんが、他界されたお父様を想って作詞作曲したオリジナル曲「ありがとうありがとう」。以前東京でのライブで由香の歌と共に演奏しているのを聴き、とても心打たれたのですが、歌詞がsensitiveで、今までは被災地で演奏することを躊躇っていたそうです。被災地でのセットリストに入れたのは今回が初めてで、時期尚早かもしれないという懸念もほんの少しありました。目線を落として少し険しい表情で聴く方が多かった、涙する方もいた、でも、その方々も、演奏後には笑顔で惜しみない拍手を贈って下さいました。涙を流せる人はまだ良い、我慢して堪えている人達の心を解放できたら。という保坂さんの言葉が印象的でした。

これまで何度も東北でボランティアライブを行ってきた真辺くん。自身のブログで、こう書いています。
震災から2年9か月、復興支援そのものが減少している今、「音楽イベントを持ち込む支援者も減っている様子。反面、被災者の心の支援は今が一番必要にも思う。今回、音楽イベントが少なくなっていたからか、どの場所でも、今まで訪問した中で一番喜んでいただけたように感じた。仮設住宅の方々の心の状態、受け入れ状態を感じて、『やっと音楽や文化での支援ができるタイミングが来た。』と感じる。」

これからも可能な限り、私も彼らの活動に関わっていきたいと思っています。音楽、そして演劇を通して、私ができることを探りながら、実現させていきたい。そして多分、被災地でも東京でも、創って演じる想いの原点は同じなのだなあと、観て聴いてくれる人の想いに寄り添ったり、奮い立たせたり。何を求められていて、何ができるのか。求められてから出したのでは遅いのかもしれなくて、おそらく次はこれを求めたくなるだろうと、相手の気持ちを一歩先に汲んで、提供していけるような、モノ創りができる人になりたい。

今年はそんなことを目標に、一歩ずつ丁寧に歩んでいきたいと思っています。


長文読んで下さってありがとうございます好

2014年も、変わらぬご指導・ご支援賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。


2014年1月1日

伽藍琳