迷った時に思い出すコトバたち | ガランリンの脇台詞 *わきぜりふ*

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伽藍琳(ガランリン)のブログ

シンデレラのフェアリーゴッドマザー(魔法使い)も、東少オリジナルのキャラクター=マリオムという狂言回しの道化師も、人間ではない、実在しないキャラクターなんだけれども、「存在する」という意味では、実体のある人間の役をやる時となんら変わりないよなぁ…などと想いを廻らせてたら、ふと過去の色んな作品の稽古中に演出家に言われた言葉を思い出しました。

子供向けの芝居に関しても同じように通じる部分と、生きてきた年数のまだまだ少ない子供達にとって、彼らの、少ないけれどカラダいっぱいに詰まった記憶を刺激して想像力を触発させるために拡大表示すべき部分と、あると思う。でも、お芝居の根本は、大人向けだとか子供向けだとか、やっぱり関係ないよなぁ…と思いたいなぁ…。

迷った時に、いつも思い出すコトバたち。忘れないようにもう一度書いておこう^^


衣裳付き通しを終えて、劇場入りを前に、(鈴木)裕美さんが言った言葉。

「衣裳やカツラを付けて空間が大きくなっても、
表層を大きくしないで。

稽古場で創ってきた、人と人との間に起こっていること、
深層で起こっていることを大事に。」

「与えずに、思い出させる。」
「大技にして客席に飛ばさないで、自分の方に観客をつかみ寄せて。」

『回転木馬』の演出家ロバートが、毎日必ず言ってくれた言葉、

「present=存在して」ください。

栗山(民也)さんも同じことをおっしゃってた。
長崎の原爆を扱った芝居の稽古中だったのだけれども、

「演技じゃなくて存在して。
こういう芝居をするときは特に、演技なんかしたら、
何万人という浦上の死者に対して失礼だよ。
ただただ、そこに存在してください。」

「言葉を伝えようとしないで。客席に投げないでください。
舞台上で起きていること、
登場人物の間で交流されていることがものすごく芳醇であれば、
客はその中に入りたくてのめり込んで観ます。
言葉を客席に投げた途端に、客は引きます。」
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